朝 | いつもどこかへ

朝

朝

ロールカーテンを通ってくる朝陽で目が覚め、天井の眺めでここはどこだか一瞬考えた後、昨夜ウシュアイアに着いたことを思い出した。枕元の水を飲み、しばらく何をするでもなくボーっとしてから熱いシャワーを浴び1階の食堂へ下りる。


広々としたキッチン付の食堂にはフランスパンと飲み物、ジャムやバターが並べられており、熱いコーヒーを汲んでパンを載せた皿を持ち、大きな窓から町を眺めながら食事を取った。アルゼンチンで食べた中でこのパンは一番おいしく感じ、もうひとつかみバスケットから失敬して部屋に戻る。


窓際に立ち、腕を上にあげて伸びをしながら街と屋根屋根の向こうの海を眺め、「ここまで来たんだ」という感慨がこみ上げてきた。


約2週間あちこち寄り道をしては見物をしていたためずいぶん時間がかかってしまった。欲を言えばまだまだ時間はほしかったけど、それはまたいつかの楽しみとしておいて、南の果ての町ウシュアイアというよりも「ようやくスタート地点に着いた」という気持ちがジワジワと強くなる。ほっと安心して気が抜けたような、ワクワクするような、旅の前半が一段楽したんだと胸にストンと何かが落ちたような気分。


さて、ここから南極半島の突端まではあと1,000km、出港は明後日の夕方。それまではまだ時間がある。この日やるべきことはいくつかあった。


●日本の家族や友人にハガキを出すこと

●当面の食料を買うこと

●電池の充電

●洗濯

●このうまいパンを売っている店を探す


身支度を済ませ、町に繰り出す。