かぜ | いつもどこかへ

かぜ

食事 「Jaaaapaneeeeese!!」


いつもハイテンションの客引き兄ちゃんが、片手に乗せて華やかに差し出してきたのは預けていた洗濯物。白いビニール袋には「JAPAN」と書かれている。そういえばここは宿帳に名前も書いていない。


久々に嗅ぐ洗濯洗剤の残り香。そして、そのそばから流れ落ちる鼻水。

首から上が重い、微熱と鼻水が始まっていた。


「まったく。いつもこうだ…」


ザックの中から郵政公社のティッシュを探し、鼻をかみながら我が体質をうらんだ。マフラーをグルグルに巻き、天窓を見上げるとまだ明るい、時計は20時を示している。


毛布にくるまり、美味いビールを飲んだ。アルゼンチン側で拾った石と、この町の海岸で拾った黒や流紋の石を眺めて悦に入る。翌朝はチリ最南端の町、プンタ・アレーナスへ向かう。


風のかたまりがゴゥゴゥと吹き荒れ、トタンの隙間から吹き込んでくる小さな風は毛布をかぶれば気にならなくなる。念のため、肩にヤッケをかけて眠ることにした。