中だるみのパイネ
さっきみつけた四葉のクローバーをパスポートに挟んでポケットにしまい、宿の前でツアー会社のバスを待つ。
「電話してあるから大丈夫だよ」
何度目かの同じ言葉だった。一昨日はチケットを取り間違え、別のオフィスでパイネへのチケットを取りなおした。それは偶然にもフアンの勤める会社で、念のためオフィスに確認の電話を入れてくれた。それから数回聞いているこの言葉。
「う~ん、気が進まない。」
パイネは絵になりすぎている、それが私の興味を引かない一因。
きれいな湖に独特の形に連なる山々、そしてそれを「1dayバスツアー」で見ることの不本意。できることなら3日間でもいいからトレックルートを自分の足で歩きたかった。でも1ヶ月の旅程のうち半分は南極に使う上に、ウシュアイアへ着くための残り日数は少なく、一人でトレッキングをする体力も技術もない。
しかし親が自然関係の仕事をしているため、パイネは行って写真を撮っておいたほうがいい。もはやパイネ行きは義務になりつつあった。
