el viento
強風の中、髪はボサボサ、服は体にぴったりと張りつき胸元のサングラスは宙に浮く
見渡す限りの地平線の真ん中で停めてもらい、外に出た。トイレではない。こんなところで用を足せば360度あられもない姿を披露することになる。
風の音が耳へバタバタと響く。記念写真に使おうと買ったRUTA40Tシャツをザックから引っ張り出し、着替えようとするとマルチェロは「何をする!?」と目を白黒する。わたしの意図を理解すると大笑いをし、ようやく自然な笑顔を見せてくれた。
石拾いといい、記念撮影といい、まったく訳の分からない子だと言った表情で笑いが止まらないらしい。手に持ったシャツは地面と平行ににバタバタと舞い、手を放すと飛んでいきそうである。
さて、パタゴニア地方の強風は有名で、風速14mはざら、強いときには30mを越すこともあるという。その理由をしらべてみると3つの条件が重なっている。大雑把に説明すると
①さえぎるもののない偏西風
②太平洋上の高気圧×南極海上からの低気圧による強い気圧差+コリオリの力
③上昇気流の下に吹き込むアンデスからの下降気流
これらの風が3つ巴に吹き荒れているため、年がら年中強い空気の流れが起きる。わかったようなわからないような、とにもかくにもこの強風を体験できたのは幸せだった。
