裏返してみれば
「疲れたか?」大人しくなった私に気づいたマルチェロに聞かれた。
疲れたと言えば疲れた、座り続けで腰が痛いのと、掴みどころの無い比較するもののない広さをどう処理していいのか。そして繰り返し頭に浮かぶ東京・新宿の街。
ある意味東京はパタゴニアと似ている。どこまで行っても建物や家がびっしりと立ち並ぶ無機質な繰り返し。それをそっくり裏返せばこの風景にならないだろうか。この景色を東京、関東に換算すると今はどの辺りになるのだろう。新宿の街は今もエンドレスに動き続けているのだろうか。そんなことをぼんやり考えていた。
「マルチェロは疲れないの?」野暮なことを聞くなとは思ったけど、昨日のRUTA40のオーナーの話だと、前日ギリギリまで仕事が入っていたに違いない。
「俺は大丈夫。」
40代半ばのマルチェロはコルドバ州の出身で、以前は2日間で実家まで帰ったことがあるという。たった数百キロの道のりでバテている自分と、その数倍の道を行き来する人のいる国。
行けども行けども道はどこまでも続く。立ち寄ったドライブインで買ってもらった「チョコサンドビスケットをチョコでコーティングした」甘い菓子をボリボリと頬張る。体を動かしてほぐし、再び車に乗り込む。先は長い。
