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約束の時間まではまだ20分ほどある。外の空気を吸おうと表に出ると、宿の前に車が一台。状況から察するに、これが今日用意された物か。しかしどっから見てもフツーの車。さしづめ日本なら、営業に使う小回りのききそうな白いやつ。
「うぅむ…もしかして今日はこれで往復するのかしら。」
免許は持っているけど車はよく知らない。
「まぁ少々興ざめだけど、これで4駆なら走ればいいや。」と自分で自分をなぐさめ宿に戻る。が、どうしても目線は窓の外の丸っこい車を見てしまう。どう前向きに考えても、アレがエンジン全開で荒野を疾走するのはギャグにしかならない。
「あれか・・・。」
そう思っていたところへドアが開き、がっちりした体格のセニョールが入ってきた。この一日お世話になる運転手さんであることは見当がついた。
「Hola!Cueva de Las Manos?」
「Si!!」
着いてこい、という合図で宿を後にし、さっきから頭を離れない疑問をたずねるとクックッと笑われる。指差された方を見ると、用意されていたのはJeepのチェロキー。ここから往復19時間のドライブが始まった。