not easy
プンタ・ワリチュに行った日、もうひとつ考えていることがあった。町に並ぶ土産物屋や看板で目にする「手」、Cueva de Las Manos(手の洞窟)である。この日使ったツアー会社で聞いたところでは「すっごく遠いわよ!!うちでは扱ってないわ。」と何もそこまでというくらい真顔で否定され、別のオフィスを紹介された。
メインストリートをまっすぐ進み、左手の建物の階段を上がる。
「RUTA40」何とも魅惑的な社名。パタゴニアに来るなら一度はぶっ通しで走ってみたい全長5,200km、パタゴニア地方だけでも2,829kmの長い長い道。
と、ドデカイ国道に思いを馳せるのはいいけど、時計を見て気づいた。ちょうどシエスタが始まる時刻である。これから午後の休息時間というときにお邪魔するのは気が引けたけど、そろそろ次の町へ向かわなくてはならないし、「聞くだけ聞いてみよう。断られたら出直せばよい」とノックをした。
ドアが開かれ、雑談を済ませこれから帰るらしいお兄さんが出てきた。「シエスタだけど…」身振りで聞くと「いいよ入りな」と構わない素振りで中へ招かれる。
さてCueva de Las Manos、ここでも「遠いわよ!」と始めに念押しされる。カラファテの町から北へ500km。「簡単じゃないわよ、だけど見に行く価値はあるわ」。がま口に目鼻がついたようなオバサンに、スペイン訛りの強い英語で説明される。バスツアーは数日先までなく4WDを出してもらうとAR$160、意外に安く「これなら行ける。」そう思った矢先
「あ、間違えた」
なんとメモ用紙の数字に0がひとつ増えた。
「はぁ!?!???!!?」
オバサン…。自分の暗算では信じがたく、電卓を借り何度計算してもAR$1600は変わらない。いや確かに$160は安すぎると思ったけど。オバサンは「セニョリータ、焦らないで、落ち着いて」というけど、これを見てビビらない人がいるのだろうか。金額を書いたメモをもらい、もし行くなら明日にでも出発できることを確認し、ひとまず店を出た。たしかに遠い…Cueva de Las Manos, not easy…。
