プンタ・ワリチュ | いつもどこかへ

プンタ・ワリチュ

puntawalichu                                   Punta Walichu

壁画はアルゼンチン湖のほとり巨石のゴロゴロ転がる浜の岩壁に連なり、夕方の湖畔は特に冷え込む。壁画も面白いけど、このどうにも奇妙な景色もまた面白い。宝島に上陸したときはこういうイメージでは、と思いたくなる。


ところで自分の専攻は油絵で、学生時代は裸婦や静物、風景の課題を描き、絵を描くのは好きなはずなのに楽しくなく悶々としていた。今ではそのときに養った基礎が役立ってはいるが、当時はその衝動で突発的に北海道をふらふらとし、せっかく借りた奨学金も学生時代の後半はそうしたことにほとんど使っていた。

でもなぜ先史美術やプリミティブアートが好きかといえば、なんだろう?単に造形的な要素が好きなのもある。得意だった世界史の一部に直接触れることができることも理由の一つ。


もう一つは、人が文字を持ち始めた頃からの絵とは、描かれた意味が違うということかもしれない。岩壁に描かれたこれらの絵は、一見稚拙で雑に見えるかもしれないけど、実は大変丁寧に描かれていると思う。


鉱物性顔料や獣脂を手や植物、骨の道具で粗い岩のキャンパスに描くのは簡単なことではない。手やありあわせで作った筆も、すぐにボロボロになるだろうし、でこぼこが邪魔して思うような線はなかなか引けない。Fon de Gaumeの壁画を見たときにその完成度の高さに圧倒されたのは今でも鮮明に覚えている。


要するに、文字発明以後の絵にはみられない要素が好きなのだと思う。それを具体的に表現しろと言われると言葉にできないのだけど…。


とまあ専門分野のマニアックな思いはここまでにして

ここはとにかく風景が面白かった。

岩