10年前からの動機
高緯度地帯になるカラファテの町は、夕方になっても昼過ぎのように明るい。
押しよせる客引きの話もそこそこにタクシーに乗り込み適当に宿を決めた。
ブエノスアイレスの排気ガス溢れる喧騒から乾いた荒地に入り、いよいよパタゴニアに足を踏み入れたことがぞくぞくする。といってもこの土地に関する知識はガイド本レベルしかなく、チャトウィンも読まずにやって来た。唯一つ明確なイメージは、アウトドアブランド「patagonia」のロゴマーク。
10年前、漠然とこの山なみを見れたらと考えつつも「夢だな…」と片付けていたのに、今自分がそこにいることが可笑しいようなくすぐったいような気持ちで、荒野をぶっ飛ばすタクシーの車窓から眺めている。
とてつもなくでかくて
風が強くて
荒地の辺境
パタゴニア。