「埋もれ木」 | いつもどこかへ

「埋もれ木」

埋もれ木

映画を見てきました。

小栗康平監督作品『埋もれ木』 です。

道内では、札幌でプレミア先行上映として

監督本人によるトークショーの豪華企画。


作品は93分ですが、時間を忘れさせる映像の美しさでした。

ストーリーは自分の想像力でつなげて見るような作品です。


計算された色彩と、構図がとても美しく

監督曰く「こころのお風呂」だと思ってみてください

と言われたとおり、カチカチになっていた感性が

温まってほぐれた気分です。

赤と黄色と緑の使い方が印象的で

各シーンが一枚の絵のようです。

空間の捉え方も好き。


帰り道は、見なれた風景が

色彩を持って活き活きと感じました。


「画像は感覚に訴える。言葉と比べればもともと論理性を優先していない。その分だけ、見る人の印象といったところにまぎれて、なにがいいのか悪いのかを、私達は確かめ合えないでいる。画像の中心がTVに移り、映画の商業性ばかりが強調されていくと、映像はどうしても分かりやすいものへと流れがちになる。幼児はまず絵本から表現に触れ、親しむ。やがてそこに言葉が入ってくる。言葉以前に私たちはイメージで世界を見ているといっても過言ではない。だとすれば、いのちそのもっとも根本に関わるイメージが、人為的に作られた画像というものにとって替わられることについて、私たちはもっと慎重でなければならない。『埋もれ木』では、見えていることと、見ようとしていることが、ないまぜになっている。結果として、映画にある程度の抽象性が入ることを避けられなくなった。もしかしたらそれが観客にうとまれることがあるかもしれないと思う。でもそれでもなお、一人でも多くの人にこうした作品に触れてほしいと、願うのです。」

映画パンフレットより


また、今日のトークショーの中では

「ボーダーレス時代になりつつある今、

アメリカ的な価値観が波及するのを危惧」した監督は

「新たな視点で、再構成した作品世界を試みた」ものだそうです。


アメリカ化というのは極端な見方かも知れないなぁ。

でも、世界中が同じになったらおもしろくない(そんなことはありえないけど)。


ちなみに私は映画はランダムに観ます。

この間は、なにもかもシニカルで悲しくなる映画

「リチャードニクソン暗殺を企てた男」

他、ハムナプトラのようなハリウッド的娯楽品から、

ミニシアターもの、各国映画(イラン、トルコ、中国、フランスetc)、

ドキュメント、アート的色彩の濃いもの。

ときには話しの筋そっちのけで

色彩や画面構成ばかり追っていることもあります。


映画っていいもんですね。