あなたは、いつまで
「いい人」を続けますか?
断れない優しさの奥にある
「嫌われる怖さ」と、
品よく自分を守る境界線の引き方
「これ、お願いしてもいい?」
そう言われた瞬間、
本当は疲れているのに、
反射的に「大丈夫です」と答えてしまう。
帰宅してから、
「どうして、また引き受けてしまったのだろう」
と一人でため息をつく。
そんなことはありませんか
例えば、
本当は体調が優れないのに、
友人から頼まれた係を引き受ける
家族から急に頼まれた用事に、
自分の予定を変更して対応する
気が進まない集まりでも、
断ると悪く思われそうで参加する
何度も相談を持ちかけてくる人に、
疲れていても長時間付き合う
そして、その場では笑顔でこなしても、
一人になった途端にどっと疲れ、
「私ばかり、どうして」
という気持ちが湧いてくるのです
けれど、相手から見れば、
あなたは快く引き受けてくれた人です
あなたが無理をしていることも、
本当は断りたかったことも、
言葉にしなければ伝わりません
そのため相手は、
あなたの苦しさに気づかないまま、
「この人なら頼んでも大丈夫」
と思うようになります
こうして、
頼まれる
↓
断れずに引き受ける
↓
一人で疲れる
↓
相手に不満を持つ
↓
それでもまた断れない
という循環が生まれてしまいます。
これは、本当の優しさなのでしょうか
もしかすると、その奥には、
「嫌われたくない」
「冷たい人と思われたくない」
「役に立たない人だと思われたくない」
「関係が悪くなったら怖い」
という気持ちが隠れているかもしれません
つまり、相手を思いやっているように見えて、
実は自分を守るために
「いい人」を演じていることもあるのです
もちろん、それが悪いわけではありません
私たちマダム世代は、
人に迷惑をかけてはいけない。
頼まれたら応えるべき。
女性は周りを立てるもの。
我慢する人が大人である。
そんな価値観の中で生きてきました。
家庭でも、学校でも、社会でも、
「自己主張する女性」より
「気の利く女性」の方が評価されてきたのです
だから、断れないのは、
あなたの意志が弱いからではありません
長い年月をかけて身につけた、
生きるための習慣なのです
ただし、その習慣が今も必要かどうかは、
一度見直してもよいのではないでしょうか。
自分を犠牲にして作った人間関係は、
どこかで苦しくなります。
なぜなら、
本当の自分ではない姿で
相手とつながり続けることになるからです。
本当は会いたくないのに会う。
本当は引き受けたくないのに引き受ける。
本当は傷ついているのに、
「気にしていません」と笑う。
それを続けていると、
相手に対する不満だけでなく、
自分で自分を裏切っているような
苦しさも積み重なっていきます
そして、ある日突然、
「もう無理」
「誰とも会いたくない」
「全部投げ出したい」
と心が限界を迎えることもあります。
だから必要なのは、
すべての頼みを断ることでも、
急に強い人になることでもありません。
まずは、
「私は本当はどう感じているのか」
を自分が知ることです。
そこで役に立つのが、
ジャーナリングです
頭の中だけで考えていると、
「断ったら嫌われる」
「相手を傷つけるかもしれない」
「私がやらなければ困る」
という不安が何度も繰り返され、
本音が見えにくくなります。
けれど、ノートに書き出すと、
事実と想像を分けて見られるようになります
例えば、
「この頼みを断ったら嫌われる」
と感じた時は、次のように書いてみてください。
・私は本当は、何を断りたいのか
・断ったら、相手は本当に私を嫌うのか
・嫌われるという根拠はあるのか
・相手が少し不機嫌になったとして、本当に困るのか
・引き受けた場合、私は何を失うのか
・自分を大切にするなら、どんな返事をするか
書いてみると、
「嫌われる」のではなく、
「少しがっかりされるだけかもしれない」
「私が断っても、
相手は別の方法を探せるかもしれない」
「本当に怖いのは、
相手の反応ではなく、
自分が悪い人だと思われることだった」
と気づくことがあります。
この気づきが、
境界線の始まりです。
境界線とは、
相手を拒絶する壁ではありません
「ここまではできます」
「ここから先は難しいです」
と、自分の領域を相手に伝えることです
断る時も、
強い言葉は必要ありません
例えば、
「お声をかけてくださってありがとうございます。今回は難しいです」
「今は余裕がないため、今回はお引き受けできません」
「今日は対応できませんが、来週でしたら大丈夫です」
「そこまではできませんが、ここまでならお手伝いできます」
このように伝えれば、
相手を否定せずに自分を守れます
大切なのは、
長々と言い訳をしないこと。
説明を重ねすぎると、
「断ってはいけないことをしている」
と、自分自身に教えることになるからです
丁寧に、短く、はっきりと!
それが大人の境界線です。
「NO」と言うことは、
冷たいことではありません。
自分を守ることは、
自分の人生を大切にすることです。
そして不思議なことに、
自分を大切にし始めると、
あなたを本当に大切にしてくれる人と、
そうではない人が見えてきます。
一度断っただけで離れていく人は、
あなた自身ではなく、
都合よく動いてくれるあなたを
必要としていたのかもしれません。
一方で、
「分かりました」
「無理しないでくださいね」
と受け止めてくれる人とは、
これまで以上に誠実な関係を築けます。
50代からは、
誰にでも好かれる女性を目指すより、
自分を大切にしながら、
大切な人と心地よくつながれる女性へ。
あなたの優しさは、
自分を犠牲にしなくても失われません。
むしろ、
自分を満たした上で差し出す優しさの方が、
我慢も見返りもない、
本当に美しい優しさになるのです。
今夜、ノートを開いて、
この問いを書いてみてください
「私は誰に嫌われることを、
こんなにも怖がっているのだろう?」
そして、もう一つ。
「その人に好かれるために、
私は何を犠牲にしているのだろう?」
答えをきれいにまとめる必要はありません。
出てきた言葉を、
否定せずに書いてあげてください。
そこから、
「いい人」として生きる人生ではなく、
自分に正直に生きる人生が始まります。
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