アルコール依存症の社長 2 | 幸せな離婚~バツイチの選択・・・。

幸せな離婚~バツイチの選択・・・。

両親の反対を押し切って結婚したけれど…。会社の倒産、DV、モラハラ、借金。経験しなくてもいいような経験をしたのち、やっと離婚。しかし離婚後もトラブル続き。でも、前向きな、幸せな離婚だと思っています。

社長はここ数年、明らかにおかしかった。


もともとあまり話し好きではなかったけれど、ますます無口になり、顔はどす黒くなり、体は痩せこけ、目だけがギョロっとしていた。


素人目にも肝臓が悪いのではないかと思った。


奥さまはお酒は全く飲めず、お酒の知識もほとんどないし、性格的におおざっぱなので、社長の変化にはあまり気にしなかったようだ。


ただ、最近、社長は痩せてはいるけれど、お腹だけがぽっこり出てきていると話していた。


(・・・・・・これは、肝硬変の末期症状。腹水だった・・・。)



ある日、社長は、


『体調が悪いから今日はお店は休む。』


奥さまにそう言った。


奥さまはひとりでお店に向かい、終日、従業員のかたと仕事をこなし、夕方には自宅に戻った。


そして、玄関を開けて、見た光景・・・・・・・・・。



・・・・血の海だった・・・・・・・・・・・・・。



その血の海の真ん中に社長は倒れていた。



奥さまは最初は強盗事件かなにかと思ったらしい。


それで110番通報をした。


救急車も来て、社長は病院に運ばれた。


警察の取り調べもあったらしい。



結局、死因は


『食道静脈瘤破裂』


肝硬変が原因のことが多い病気らしい。



社長はたぶん昼ごろに、この 『食道静脈瘤破裂』 のため、吐血して、そのまま出血多量で亡くなったと思われるとのこと。


奥さまの悲しみは半端ではなかった。


『なぜ、具合が悪い主人を残して私は仕事に行ったんだろう?』


・・・いえいえ。


奥さまが悪いのではありません・・・・・・・。



社長はまだ50代の若さだった。


子どもさんはまだ大学生。



社長は人徳があり、おおむね周りのひとには好かれていたと思うけれど、一部、批判するひとたちもいた。



『お酒に呑まれるなんて、意志が弱すぎる。』


『子どもがまだ独立していないのに、アルコールに依存するなんて無責任。』



たぶん正論だと思う。


・・・けれど、それだけでは片付けることはできないと思う。


そもそも、お酒は麻薬なんだから。