アルコール依存症の社長 1 | 幸せな離婚~バツイチの選択・・・。

幸せな離婚~バツイチの選択・・・。

両親の反対を押し切って結婚したけれど…。会社の倒産、DV、モラハラ、借金。経験しなくてもいいような経験をしたのち、やっと離婚。しかし離婚後もトラブル続き。でも、前向きな、幸せな離婚だと思っています。

取引先に、こじんまりした、アットホームな小売店がある。


社長と奥さま、それから従業員の女性ひとりの小さなお店だけれど、売上は驚くほどある。


社長はちょっとおいておいても、奥さまと従業員の女性の販売力が半端ではない。


ガンガン売るタイプではなく、お客さまは何となく買ってしまう・・・という感じ。


社長の奥さまも、従業員の女性のかたも、美人で品がある。


それも、大きな強みかも。



でも、社長には大きな問題があった。


仕事中だというのに、昼間からお酒を飲むようになっていた。



社長はもともと、超有名大学を卒業して、大手企業の研究員として勤務していた。


けれど、奥さまと結婚することになり、一人娘の奥さまの実家の家業を継がなくてはいけなくなり、将来を嘱望されていた会社を辞め、今の小売店の社長におさまった。


子どもにも恵まれ、お店も順調。


けれど、社長はどこか心にわだかまりがあった。


本当に自分がやりたいことは他にある・・・。



でも、自分は社長として、お店を切り盛りしなくてはならない。



そうしたときに、社長の身内にとんでもない不幸があった。



いろいろなストレスが重なったんだと思うけれど、社長はそれから片時もお酒が離せなくなった。


見ている周りから見たら、異常だった。


打ち合わせをしていても、飲み物はウィスキー。


イベント会場には常に日本酒を持ち込んで伝票を書きながら飲んでいる・・・。



みんな、おかしいと思いながら、あまり注意はしなかった。


(私たち取引先は、注意などなかなかできない立場だけど。)



社長はいつもお酒は飲んでいたけれど、いわゆる酒乱ではなかった。


お酒を飲んでいても、とても穏やかな立ち振る舞いのかただったし、仕事もやるべきことはきちんとやっていたと思う。



奥さまは、社長にやりたいことを我慢させてしまったという負い目か?それとも社長の心の中を思いやってか、社長の飲酒をとやかく言うことはなかった。



それが何年か続いたある日。


社長は突然、帰らぬ人となった・・・・・・・・・。