元夫は、普段は温厚なかただ。
普段は・・・。
まわりもそれを認めていた。
男らしくて、優しいいい旦那さんと言われていた。
元夫は、人当たりがとても良かった。
とにかく営業向きだ。
でも、切れると手がつけられない。(そんなこと、誰も知らないよね。)
でも、あまり長くは続かない。
だんだん自分で冷静になっていくんだろうと思う。
そして、ごめんなさいと謝る。
とにかく、このくり返しだった。
私には結婚するまで、暴力は前回書いたことだけだったけれど、モノを壊すことは多々あった。
モノに当たるわけね。
頭にきたら。
私にはもう、手出しをすると嫌われるとでも思ったんだろう。
まだ、『釣った魚』じゃなかったから。
いちばん印象的だったモノ。
前にも書いたけれど、元夫は元奥様と結婚しているときに、ロレックスを買った。
当時の元夫 ←ご参考まで。
元夫はニセモノと言っていたけど、ホンモノなことはわかっていた。
当然、元奥様にも問い詰められたらしく、元夫は元奥様に悪いと思ったのか、元奥様用のロレックスも購入した。
ローンで
コレ! ←見つけました!!やっぱり今も高い!
元奥様は、時計には全く興味がなかったらしく、
『こんなん買ってきて!馬鹿じゃないの?』
とつき返したらしい。
それで、しかたなく、元夫がその時計を保管していた。
その数ヵ月後に離婚騒動。
その、元奥様用のロレックスは元夫の事務所の机の中に眠っていた。
私は当時はそんなことは知らなかった・・・。
元夫との交際は順調だった。
その日は、元夫と食事をして、元夫に家まで送ってもらっていた。
家の近くで止めてもらい、しばらく話をしていた。
『これ、あげるよ。使わない?』
元夫は、いきなり元奥様用に買ったロレックスを差し出した。
私は驚いた。
これって、●●万する・・・。
ロレックスじゃん!
なんで?
『プレゼントしようと思って・・・。』
まさかっ!
こんな高いもの、もらえるわけないじゃん!
頑なに断わり続ける私に元夫は、
『実は・・・。これ、元奥さんに買ったモノなんだけど、このまま置いていてもムダになるから・・・。
使ってくれる?』
はぁ?
元奥様のために買ったプレゼントを私に使えっていうの?
『そんなもの、いらない!!
アナタ、常識がないんじゃないの?
何で、元奥様にプレゼントしようと思ったものを私にプレゼントしようと思うの?』
『だって、もったいないじゃん・・・。』
腹が立った。
『そんな考え方、わからない!
いらないよ!』
そう言った瞬間、元夫は、車から降りてそのロレックスを地面にたたきつけた。
私は呆然とした。
●●万円もする、ロレックス。
それが粉々になっていた。
『何するのよ!?』
『だって、キミ、いらないって言っただろう!!』
『だからって、壊すことはないでしょう!!』
元夫にはわかってもらえなかった。
私がなぜ、いらないって言ったか・・・。
あのかたは一生わからないだろう。
結局、この元奥様用のロレックスのローンの支払いも滞納して、元奥様のところに請求書が届くので(元夫は離婚してからも、ローン会社に自分の住所の変更などしていなかったから、請求書は契約時の自分の住所=元奥様の住所に届いていたらしい)ローン会社に一括請求されたらしい。
実物(ロレックス)はないのにね。
粉々に砕けたから。
このローンは、結婚してからわかりました。
ローンの残金の請求・・・。元奥様からの請求書の転送で。
もちろん、払いましたけど。
今思うと、もったいない・・・。
貰っておけば良かった・・。