- スターバト・マーテル/篠田 節子
- ¥1,680
- Amazon.co.jp
★★★★☆
乳癌を機に、生と死を見つめるようになった彩子。中学校時代の同級生・光洋と30年ぶりに再会した彩子は、心の奥底にしまっていた、あの「過去」を思い出す……。40代の女性の“静かな哀しみ”を丁寧に描いた表題作のほか、海外での友人の結婚式の騒動を描いた痛快コメディー作品も収録。
レビュー
篠田節子が描く、中年の恋愛はとても面白いです。
ありきたりな題材でも、薄っぺらな印象を与えません。
以前、著者の「秋の花火」 を読んで面白かったので、他の作品も読んでみる事にしました。
表題作の紹介文を読むと、全くもってベタな話に思えますよね。
病気 → 死を実感 → 不倫 というパターン。
結果もおおよそ見えてしまう様な内容で、どう展開させるのか。
以前、非常に良く似た内容の「ヌルイコイ」 を読んで、もの凄くがっかりした経験が有るので、正直あまり期待していませんでした。
が、実際に読んでみるとなかなか凄いです。
単純に、病気→死を実感という感じではなく、もっと精神的な内面を上手く描いてます。
そして、単純に、同級生と再開→不倫 という図式でもありません。
そこに至るまでの過程が、とても緻密に描かれています。
中年の閉塞感が妙にリアルに描かれているので、陰鬱な気分になりそう。
悪くはないんだけど。
ただ、最後のあれはどうかな。
もう少し曖昧にした終わり方でも良かった様な気がしますが、それは個人的な趣味の問題かも。
ちなみに、もう1つの作品「エメラルド・アイランド」は、更に面白かったです。
謎の中年男性がキーマンで有るのは分かるものの、一体どういう展開をしていくのか予想がつきません。
で、「私」の恋愛話かと思いきや、そんな結末かい!?
こちらは単純に面白い。
結構面白かったです。
他の作品も読んでみよう。