大宜味村の坊主森(ボージムイ)と
ネクマチヂ岳へと登った日は軽めに飲み、
翌日も早起きできたのですが…
まさかの2日連続でやんばるの山へ。
暑くなる前の春の新緑が気持ちいい季節、
そして天気は最高の晴れで風が心地良い。
ときたら自然を満喫するしかないじゃない!
と朝からルンルンで北部を目指しました。
2日連続でやんばるトレッキングなら
国頭か大宜味あたりに泊まりかなーって
あの辺のホテル情報とか調べてたけど、
2日連続で那覇から余裕で行けると気付き。
8時に出ても全然午前中で登山できる。
やんばるトレッキングのハードル下がった。
これからは気軽にやんばる行こう。
この日向かったのは東村の玉辻山。
前日の坊主森とネクマチヂ岳からは
それほど離れていない場所の山です。
結果からいうと「近いのに全然違う!」
というおもしろさの発見でした。
玉辻山
標高:289m
東村役場からつつじエコパーク方面、
福地ダムの手前に登り口があります。
車は数台ほどとめれるスペース。

緩やかで歩きやすい山道が続きます。
前日に登った坊主森とネクマチヂ岳とは
地質や植生帯が違うなーというのは
歩き始めてすぐに気がつきました。
コモウセンゴケや笹が生えていたり、
渡嘉敷島の山と似てるなと感じました。
その理由がこれ。

赤土の酸性土壌だから。
前日に登った山は琉球石灰岩で
ゴツゴツした岩場があるような山。
すぐ近くなのに景色が全然違うのは
この土壌の違いだったんですね。
石灰質のアルカリの山か赤土の酸性の山か。
それで生えてる植物も違うから景色も違う。
東村はパイナップル栽培が盛んと
数日前のブログにも書いたけど、
それもこの赤土の酸性土壌が理由。
水捌けが良くて酸性土壌は
パイナップルやミカンなど
果物の栽培に適しています。
玉辻山は全体的に緩やかなので、
結構登りやすい山だと思います。

が、こういうまさかの三つ又の道とか
迷いやすいポイントがいくつかあります。
確かにYAMAPの地図にも注意マークで
「迷いやすい」って表示が出てました。
右に進んだら地図上でコースアウトしたので
引き返して左に進んでみてもコースアウト。
合流できそうだったのでそのまま進み、
ちゃんとしたルートになってたけど。
帰りに下山方向の看板に進んだら
この三つ又の右側に繋がってたから、
どっちでも繋がってはいるんだろうけど。
場所によっては歩ける場所の幅が狭くて
すぐそこに落差のある溝とかもあったり。
やはり山は油断禁物です!
YAMAPで地図をダウンロードしていて
コースアウトしてもGPSで分かるし、
滑りやすい箇所とかの注意マークもある。
木々に囲まれてあまり景色は見えないけど、
途中で開けた場所もありました。

世界自然遺産やんばるの森を一望!
「ブロッコリーの森」と称されるのは
イタジイの木がモコモコとしてるから。
イタジイも酸性土壌を好む木のようです。
イタジイはどんぐりがなる木なので、
それを好むイノシシがいるのもやんばるの森。
森の風景を作るpH値、奥が深い!!
まさか土壌のpH値について
こんなに考えさせられるなんて。
これも2日連続で山に登ったから
それぞれの違いが明確だったかも。
本当に気持ちいい春の新緑の森。
まだ緑色が薄いところがあったりして、
春って感じがします。夏はもっと深緑。
春風にそよぐ木々の音と鳥の囀り。
少しだけ道は傾斜がキツくなるけど、
本当に急なのはほぼ最後の方だけ。

ここまで来ると山頂まであとひと息です。
ここを左に進むと山頂です。

この辺りから急な斜面になってます。
両側の木がトンネルみたいになってて、
でも前をみたら明るい空が見えて、
ここを抜けるのがワクワクする風景。
そして広がる空と、、、

目の前に迫るさらなる斜面。
木はだんだん低くなってくるので
急斜面の上に空が広がっていて、
もうすぐテッペンだと感じられます。
途中で振り返ってみたら、、、

めっちゃキレイな景色!!
必死で登ってる時はキツくて大変で、
まだ先にあるキツい道を見ては
「マジか…まだ続くのか…」ってなるけど、
ふと落ち着いて振り返ってみたら
登ってきたからこそ見れる景色がある。
人生もまた然り。(名言決まった!!)

ここからまだ登るんかーーーい。
そしてまた次の難所があるのも人生か笑
「百尺竿頭進一歩」にも似ている。
登りつめても更にその先へもう一歩、
高みに到達しても更に尽力して進む、
という教えを考えさせられるのも
また山登りなのかもしれないですね。
ひとりで山を登っていると
自然観察しながらも色々考えてて、
もちろん自然科学的なこともなんだけど、
哲学というか思想的なことだったりとか、
もうほんと無意識なんだけど色々と
頭がクリアな状態で考えられる気がします。
そして道は更に険しくなりました。

一番険しいところはロープを使って登ります。
険しいのはほんとこの山頂手前だけなので、
ここさえ登れる力がある方であれば、
あとは普通に歩いてこれる感じです。
そして、いよいよ山頂です!
めっちゃキレイな景色!!
モコモコしたブロッコリーの森!
世界自然遺産の森!やんばる国立公園!
遠くに見える太平洋!!青い空!!
天気最高すぎる!!

山頂から南側の方向。
真ん中より右側に見えるのは大保ダム。
沖縄県内で2番目に大きいダムです。
前日にちょっと立ち寄った場所。
とにかく景色が最高すぎる!!
この景色、大好き!!
目の前の三角の山の感じとか遠くの海とか、
眼下に広がるモコモコした森とか。

北側は更に深い深いやんばるの森。
大宜味村、東村、国頭村をまとめて
「やんばる三村」と言いますが、
この日本のわずか0.1%にも満たない面積に
多様な動植物が生息・生育しています。
この森にヤンバルクイナ、ノグチゲラ、
オキナワトゲネズミ、ケナガネズミ、
オキナワイシカワガエル、
ヤンバルテナガコガネなどの固有種が生息し、
独自の生物多様性を形成しています。
多様で固有性の高い生態系を有することが、
世界的にも貴重であると認められて
世界自然遺産に登録されました。
日本の世界遺産は文化遺産は沢山あるけど、
世界自然遺産に登録数はわずか5つ。
知床、白神山地、小笠原諸島、屋久島、
そして「奄美大島・徳之島・
沖縄島北部及び西表島」です。
水分補給用の冷たいお茶も持ってたけど、
ホットコーヒーも持ってて良かった!
山頂は結構狭いので他のグループと
タイミングが重なってしまったら
ゆっくりはできなさそうな感じ。
登り口でちょうど同じタイミングで
10名以上の団体に出くわしていたので、
そのグループと重ならないようにと
早めに山頂を目指してきました。
しばし山頂を独り占め。

山頂では40分近く過ごしてました。
山の景色の違いから土壌の違いに気付き、
土壌の違いによる植生帯の違いだったり、
適した農業の違いまで考えることができ、
動植物だけじゃなくて地質だったり
農業だったり色々考えることができて、
少し博識になった気がします

山から学ぶことって広いです。
次回は玉辻山の動植物です。