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『キタダレコード』完結編1




滋賀県。守山駅。


ウエストゲートを出るとちょっとしたロータリーを挟んで西へと延びてる その通りはお世辞にも活気があるとは言えない商店街になっている。シャッターが、降りたままの店も少なくない。


守山銀座商店街。



誰が付けたか都心にもそのご利益にあやかろうとチラホラ使われているこの名称はこんな地方にもやってきている。



銀座。



日本の中心にして高級品を扱う「ザマスブランド」の店舗が立ち並ぶ超高々級品商店街。



もしアンタが彼女を連れてその超高々級品商店街でバッグやアクセサリーなんかを買ってやったら目をハートか¥にしてすり寄ってくるだろう。(こんなブログを読んでるんだからたぶん違うよな 勝手にごめん)




でもその名を語ってみたところで時代の犠牲者が減るなんてことはない。

早い段階で言っておくけど、おれはこの商店街には何の縁もゆかりもない。



だからと言って大手企業のスーパーが入ったことでシャッターを降ろしていく店を見てきていないことはない。



おれの生まれ育ったところは歴史も何もない切り拓かれた山の上だったから個人商店が立ち並ぶ前に大きくはないけどスーパーができて、そこでみんなその日の食材を買い込んでた。


それでも山から降りればそういった個人商店が立ち並んでいて、最近じゃエコバッグなんてシャレた名前の袋を持って買い物するけど
その頃のオバちゃん達は当たり前に買い物カゴや袋なんかを持って野菜は八百屋、魚は魚屋、乾き物は乾物屋、肉は肉屋という具合に
いろんな店を渡り歩いて必要なものを買い歩き、酒や米なんかは店が家まで配達してくれていた。



そうやってバランスをとりながら持ちつ持たれつでやってきた町にも新しい勢力はやってくる。




必要としてるものがひとつの店で全て揃う。
そしてそれらはどの専門店よりも安く買える。

どんなに情というものがあっても安くて楽に買い物できるとあれば皆そっちへと流れていってしまう。

大手企業スーパーができるとともに商店街に並んでいた店は次々とシャッターを降ろしていった。


「奥さん、安くしとくよ‼︎」
こんなセリフも最早マンガの世界だ。






守山駅から400mほど続く商店街の端のほうでプラモなんかが置いてるおもちゃ屋と向かいあってあるのがキタダレコードだ。

このご時世に個人経営で踏ん張っている。



派手なロゴがデカデカと掲げられたり宇宙ステーションみたいなクール内装だったりのCDショップというよりは昔ながらのガラス張りでトレンドの商品ポスターや手書きの貼り出しが全面に出てる小さな店だ。

その名の通りCDが主流になる前はレコードを扱っていたんだと思う。
昔親父に連れられて行ったレコード屋もちょうどこんな感じの店だった。



珍しく親父が好きなのを一枚買ってくれると言うので兄貴たちと店内を駆け回った。

おれが選んだのはアニメ「魁‼︎男塾」の主題歌のドーナツ盤。
人生初のレコードだった。


”汚れちまった哀しみに
             俺の青春をなんぼのもんじゃい”


歌詞の意味は未だにわからないけど嬉しくて何度もレコードに針を落としては一緒に歌ったりしていた。

そんな息子の姿を見て親父はどんな風に思っていたのだろう。

今度はおれが自分のCDを聴かせながら酒の一杯でも酌み交わしたいところだが
そんな日がやってくることはもうない。