自分をがんじがらめにしていたんだなぁと思った。
つまり今はもう、その位置にいないのだ。
その先に確かなものなど何一つ見えない世界で、
ただ先に進むために与えられた強くて痛いほどに張り詰められた糸。
ぎゅうぎゅうに体を縛っていないと振り落とされそうで、そんなことし続ければ鬱血してしまうことなんてたやすく理解できるのに、それでも必死だった。
夢も目標も愛も、全て。
何がきっかけだったのかわからないけれど、その糸の先には何もないって知ってから、少し生き辛さが減ったように思えた。
その先に何もないって知れたのは、結果的には幸福だった。
というか、その先は自分で創ればいいのだと、悟ったからなのかもしれない。
だからこれは夢も希望も可能性も、全てが有り余るほど残されているのだという、嬉しい発見だった。
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９年前と、見えてる世界はそこまで変わらない。
そう、表面的には。
小さな気づきとしては、2013年に地元静岡県清水区にあるマリナートの小ホールで初めてホールワンマンを行った時と、活動１０周年を記念して行われた2019年のマリナートワンマン公演とでは、感覚が全く違っていたことを、よく覚えている。
それらは全く同じ会場だったのにも関わらず、しかも2019年は３ピースだからフルバンドの2013年の時より広いステージのはずなのに、”こんなに小さかったかなぁ”などと、素直で生意気な感情が飛び出したのだった。
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仕事というのは、社会人というのは、いつだって数字と結果が勝負の世界だ。
過程とか努力とかより、結果が全てだ。
そういう”当たり前”という世間体に、荒波に、言葉に、重圧に、何度も何度も打ちのめされてきた。
もちろん、いまも。
がむしゃらだった２０代前半に、芸術家だからとか、表現者だからとか歌手だから女性だからとか若いからとか、そんな風にケアしてもらった記憶が無いのは、ひょっとしたら何よりも幸運だったのかもしれないと、今では思う。
いや、記憶は何か間違えているかもしれない。
勝手に自分でそうして締め上げて鼓舞してきただけなのかもしれない。
周りはもっと、羽を休めさせてくれようとしていたのかもしれない。
受け取らなかっただけなのかも。
でもそれは、そういうものだと教えてくれる環境に触れることができていたから。
自分に足りないものを感じていたから、全力で学び取りに行ったんだと思う。
とはいえ、今でもそんな、世間のいう”すごいこと”とか”成功”とかからは程遠い場所にいるように思うし、反省だらけの毎日。
それでも、たとえ社会が”そういうものだ”としても、私は”過程”もものすごく大切なものだと、今でも信じている。
そして、信じさせてもらえてきた。
そういう出会いにも、深く深く、感謝しています。
それは自分を救ったり自信を持ったり肯定するためだけのものではなく、誰かと共に歩んでいく未来のためのものだ。
そして誰かの心にほんの少しの小さな羽を、自分の音楽でつけるために必要な思考であって、事実でもある。
音にはぜんぶ、出るものだから。
遠回りが一番の近道で、失敗しないと深みはでないってイチロー選手が言ってた。
だからそれを信じることにする。
もっともっと広い世界を飛び回りたいと強く願いながら、深く根を張れたであろうこの時間に、感謝します。
その根に栄養を与え、水を与え、呼びかけ、励まし、時にはち切れそうになりながらも、強くたくましくしなやかにしてくれた全ての出逢いに感謝します。
たくさんの出会いも別れも、”普通そんなことある？”っていう哀しみでさえ、全てが未来の誰かの笑顔への伏線だった。
これからもきっと、そんな修行は続くでしょう。
今までもこれからも、鮮やかな色とりどりに染められて、自分だけのカラーで突き進める私でありたいです。
2013年6月26日に、キングレコードからメジャーデビューをしました。
もちろん永年的な契約ではないので、アルバム単体でのものでした。
基本的には自社でのマネジメントを行っています。
自分の会社も9歳になります。
(音楽活動自体は2009年の大学生時代からになるのですが)
それでも区切りとして、ついに来年は2023年。
メジャーデビューさせていただいてから10年。
今はCDとかメジャーとか、そんなの関係ない世界になって、誰もが何にでもなれる世界になりました。
だからこそ、自分の感性を解放しながら描きたいものを描き、世のため人のためになれる音楽活動を、これからも追求し続けます。
今の自分だからこそ、できることがあるはず。
まだまだこれは遠回りかなぁ。
それでも、それでも。
これからの自分に期待しています。
新しい自分に出逢いに行く旅。
楽しみです。
いつも応援、ありがとうございます。
これからも、どうか見守っていただけたら幸せです。
恩返ししていきます。
温かい音で、倍返しの音返しを。
生まれてきてくれてありがとう。
出会ってくれて、ありがとう。
この先もずっと、あなたが心から笑える日が続きますように。
2022.6 yosu
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