エアコンの定期清掃はテナントの義務

シンガポールは年中夏ですので、エアコンは一年中使用することになります。この為、賃貸契約書ではエアコンのサービス(3か月に一度の点検と清掃)はテナント側の責任とされ、このサービスを行っていた場合に起きた故障等については家主負担での修理や修理不能等の場合は新しいものへの交換というのが一般的です。ただこの定期点検清掃を怠った場合は、テナント負担で修理しなければならないというような条項も入っていますので、注意が必要です。そのため、契約条項として契約開始から1~3か月以内に、エアコン業者との年間契約書を義務付を要求してくる家主も結構多いです。3か月毎の清掃は、多少日にちはずれるのは問題ありませんが、キチンと記録して忘れないようにしてください。そして作業の記録も退去時に家主側に提示する必要がありますので、きちんと保管する必要があります。

 

薬液洗浄とガス充填

エアコンの修理費用で注意しておいた方が良いのは、薬液洗浄とガス充填です。弊社を含め不動産会社の標準の賃貸契約書には、それについて言及されておりません。経験豊富なテナント側のエージェントはこの費用を家主側の負担とする文言を追加しています。薬液洗浄とは定期清掃をきちんと行っていない場合や、行っていてもかなり長い期間が経ちますと掃除しきれないほこりやカビ等が蓄積し、その結果冷えないという問題が生じます。この場合エアコンを分解コイル部分に薬液をかけて埃などを洗浄するものです(映像リンク)。またエアコンを冷やすためには冷媒ガスが必要です。これが不足すると同じく冷えないという状況が起こります。ただ最近この2つの項目については、テナントの費用負担と譲らない家主が増えてきております。家主側の言い分としては、これらはテナントのエアコンの使用頻度等で出てくる問題だという理由です。家主側がどうしても譲らない場合には、契約開始後3か月目に行われる最初の定期清掃でテナントのエアコン業者が薬液洗浄やガス充填が必要とした場合には、その費用は家主負担とするように主張しています。というのはこれらの問題が前のテナントがきちんと定期清掃等を行っていなかったことが原因と思われるからです。薬液洗浄については業者によって、また洗浄方法によっても違ってきますが1台$100~$200と費用がかさみます。また以下でに記載していますダクト型エアコンの場合、仮天井(石膏ボード等で出来ているもので英語でFalse Ceiling『フォールス・シーリング』という)を切り開いて洗浄しなければならない場合があり、こういう場合は$1,000近くかかる場合もあります。ガス充填も充填量によって変わりますが、$100前後かかるようです。

 

業者選定と費用

エアコン業者の選定ですが、1つのオプションとして家主側の業者を使うのも一考かと思います。といいますのはテナントが独自の業者を使っていて何か修理が必要になった場合、その業者から問題報告及び見積もりをもらって家主側に報告をしなければなりません。それで家主が承認して修理作業をすぐに開始できれば良いのですが、結構あるパターンとしてはテナント側業者の見積もりが高いということで家主が自分の業者に再度チェックに行かせ、それからその業者を使って修理と2度手間になることが多いからです。家主が推薦する業者が居る場合はそこから見積もりを貰い、特に高くなければその業者と契約を結ぶのが良いかもしれません。費用の方ですが、標準的には3か月に1回の年間契約ですと1台あたり$20~30というのが一般的です。4台ありますと、年間で$320~500程度(追加でGSTがかかる会社もある)となります。

 

作業内容

参考までに以下あるローカル業者の契約上の作業内容以下列記してみました。

a. General service of fan coil unit 室内機(英語でfan coil とかblow-out 等と呼ばれます)の点検と清掃(コイル、フィルター等の清掃)

b. General service of condenser unit 室外機(英語でcondenser unit等と呼ばれます)の点検と清掃

c. Cleaning of condensate water drainage pan コイルの排水受けの清掃

d. Flushing of condensate water drainage system ドレインパイプの清掃

e. Chemical service of units as and when necessary 必要に応じて薬液洗浄

f. Top up of refrigerant as and when necessary 必要に応じてガスの充填

g. Priority for any breakdown inspection at no additional charge 故障等で動かなくなったときは追加費用なしでチェック及び検査

この業者の契約作業範囲はかなり広範囲です。標準的に入っているのは a. b. c. d.となります。ただ日系の業者では、室外機の清掃等が入っていないところもありますので注意が必要です。特筆すべきはe, f.で、で薬液洗浄とガス充填は通常別途費用が掛かると謳われているのがほとんどです。この業者の場合は、見積もり段階でチェックに来てそれらが必要の場合、別途費用を支払ってそれを行わない限り契約しないという厳格な姿勢です。その代わり最初のチェックで問題無ければ途中でそれらが必要になった場合、追加費用なしで薬液洗浄等をしてくれるということです。

 

【ダクト型】

標準的なコンドでは、日本でも普通使われている壁掛け型(以下写真)のエアコンです。

ただダイニングとリビングがかなり広めであったり、高級仕様のコンドでは以下の写真のようなダクト型のエアコンもよく見かけます。

これは見かけや、吹き出し口が長く取れたりすることで大きな部屋を冷やすのには適しているようです。ただ清掃が難しいという難点があります。というのは機械部分が吹き出し口とは別のところにあり、そこに大きなアクセス穴が無ければ天井を切り開いて部品を取り出したりしなければならないからというようなことです。

 

【よく起きる問題】

最も頻繁に起きるのは、以下のビデオの様に吹き出し口から水滴が落ちてくるというものです。大体の原因は清掃からしばらく経っていて、排水パイプに埃等が溜まり水が流れる場所を失い吹き出し口から漏れてくるものです。この場合には、直ぐに契約している業者に連絡して来てもらってください。清掃をすることで、問題が解決することがほとんどです。ただ先日業者が清掃した後、まだ漏れてくるという連絡がありました。私が立ち会って再度業者にチェックさせたところ、エアコンが傾いていたため排水菅に流れず逆流していたという単純な理由でした。


その他にいくつか同じようなあった問題は、ランプが点滅してエアコンが作動を停止してしまうという状態です。これは基本的に室外機に問題があるようです。単純なケースですと室外機のスイッチをいったん切って、もう一度入れ直すと動き出したこともあります。ただ根本的に室外機に問題がある場合は、業者にチェックしてもらい何がおかしいのか調べてもらう必要があります。


 

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