40年前、池袋東急劇場で初めて「レベッカ」を観た時の驚きは、今も鮮明に覚えています。

当時の映画館は2本立て入替無し(自由席)でしたので、続けて2度観ました。

サスペンス映画の神様“ヒッチコック”がハリウッドで最初に監督したサイコスリラー映画。

演出にも力が入っています。

<アルフレッド・ヒッチコック監督>

アカデミー賞最優秀作品賞(デヴィッド・O・セルズニック)、撮影賞・白黒部門(ジョージ・バーンズ)の2部門を獲得した作品、カラーでは表現できない光と影のモノクローム撮影が素晴らしい。

「レベッカ」の世界へお連れします。

1940年製作(日本公開は1951年) 

モノクロ・スタンダードサイズ・130分。

冒頭のタイトルに続き

“きのうの夜もまた マンダレーにいた夢を見た”の主人公<私>のナレーション。

 回想シーンから始まる幻想的な映像。

<私>(ジョーン・フォンテイン)の語りと映像が、ヒッチコックの世界に誘います。

私:「きのう マンダレーの夢を見た 

私は鉄門の前に立ちすくんだ

それは夢であったがー

突然 超全的な力が体に宿り 

門を通り抜けた」

私:「門からの道は曲がりくねっていた 

道はどんどん細くなり 

私を先へと導いた」 

私:「そしてマンダレーが眼前に広がった 

そこにあるのは輝きを失った屋敷のみ

幻想は消えー 目の前には廃墟が 

もうマンダレーに戻る事はできない

でも夢の中だけで 時々 私は昔に帰る」

 

<私>(ジョーン・フォンテイン)は、イギリスの大金持ちマキシム(ローレンス・オリヴィエ)と出会い、

恋をした。

<ローレンス・オリヴィエ、ジョーン・フォンテイン>

結婚して、彼の大邸宅マンダレーの館へ行く。

<私>:「香水のように 思い出をビンに詰めれれたらいいわ」

 

二人は雨に煙るマンダレーの館に到着、大勢の使用人が二人を出迎える。

二人はマンダレーの家政婦長ダンヴァース夫人(ジュディス・アンダーソン)のおおげさな歓迎に驚く。

マキシム:「これは やりすぎだ」

使用人:「ダンヴァース夫人が・・・」

マキシム:「(<私>に)驚かせてすまない」

<ジュディス・アンダーソン>

マキシム:「ダンヴァース夫人だ」

私:「はじめまして」

ダンヴァース夫人:「よろしくどうぞ お待ちしてました」

私:「ありがとう 何と言っていいか」

 

マキシムは1年前にヨット事故で、前妻レベッカを亡くしていた。

多くの使用人がいる邸宅の女主人となった<私>だったが、かつてのレベッカ付きの使用人でマンダレーの家政婦長ダンヴァース夫人から受け入れてもらえない。

アカデミー助演女優賞にノミネートされたダンヴァース夫人役のジュディス・アンダーソンが名演。

次第に<私>は前妻レベッカの見えない影に精神的に追いつめられていく。

<ジュディス・アンダーソン、ジョーン・フォンテイン>

遂にはダンヴァース夫人に言われるまま、窓から身を投げようとする。

が、偶然上がった花火の音で<私>は正気を取り戻す。

その花火は、嵐の夜にヨットで遭難したレベッカの死体が見つかった知らせであった。

改めてレベッカの死因が調べられることになる。

 

レベッカの死因に不審な点が・・・殺人か、自殺か?

レベッカの従兄ジャック(ジョージ・サンダース)はマキシムによる殺害を主張する。

疑心暗鬼に陥った<私>に、マキシムはレベッカの死の真相を語る。

 

ジョージ・サンダースが公衆電話を使う場面の通行人役でヒッチコックが登場。

ヒッチコックのカメオ出演は有名で、エキストラを補うための着想と言われています。

一瞬なので見落とします。

<ジョージ・サンダース(左)、ヒッチコック(中央)>

 

ラストシーン

マキシムは嫌な予感を感じ、友人のフランク(レジナルド・デニー)とマンダレーの館に向かいます。

ラストはマンダレーの館が業火に包まれる。

キシム:「あの光は何だ」

フランク:「冬だからオーロラかも」

マキシム:「オーロラじゃない マンダレーだ」

マンダレーの館が業火に包まれる。

レベッカの死の真相は、<私>はレベッカの呪縛から解き放たれる事が出来るだろうか。

 

前半は主人公ジョーン・フォンテイン<私>と対立するジュディス・アンダーソン(ダンヴァース夫人)の不気味な登場。

次第に心細くなるジョーン・フォンテイン<私>の心理描写が秀逸。

 

後半はレベッカの死の真相に迫るサスペンス映画の神様“ヒッチコック”の独壇場。

 

DVD化されています。

是非、本編をご鑑賞ください。

お薦めです。

 

【主演の二人】

ローレンス・オリヴィエはイギリスを代表する名優。

1947年にナイト位を授けられ、「ハムレット」(兼監督)、「リチャード三世」(兼監督)、「スパルタカス」、「探偵スルース」などの作品を残した。

三度の結婚暦があり、そのうちの妻の一人にはヴィヴィアン・リーがいる。

 

<ローレンス・オリヴィエ>

 

ジョーン・フォンテインはアメリカの女優。

「レベッカ」でアカデミー主演女優賞にノミネートされ、翌1941年にヒッチコック監督「断崖」でアカデミー主演女優賞を受賞。ヒッチコック監督作品でアカデミー賞を獲得した、ただ一人の俳優である。

「永遠の処女」、「ジェーン・エア」、「忘れじの面影」などの恋愛メロドラマ作品に多く出演した。

イギリス人の両親の間に日本(現在の東京都港区)で生まれ、戦後の日本の映画雑誌では"江戸っ子女優"と紹介されることもあったという。

 

<ジョーン・フォンテイン>

 

【カラー版「レベッカ」】

アメリカでは、デジタル画像処理の発達で、往年の名画のカラー化がしばしば行われています。

「レベッカ」「カサブランカ」など懐かしい名画がカラー映像で楽しめます。

モノクロの映画やテレビ番組をカラー化する着色処理は文化的破壊活動だという意見もあるようです。

 

前段のモノクロ画像「レベッカ」と、以下のカラー画像を比較してみて下さい。

 

冒頭のタイトルに続き、“昨日の夜もまた マンダレーにいた夢を見た”の主人公<私>の 回想シーンから始まる。

幻想的な映像と、主人公<私>(ジョーン・フォンテイン)の語りがヒッチコックの世界に誘います。

 

<私>は、イギリスの大金持ちマキシム(ローレンス・オリヴィエ)と出会い、

恋をした。

<ローレンス・オリヴィエ、ジョーン・フォンテイン>

結婚して彼の大邸宅マンダレーへ行く。

<私>:「香水のように 思い出をビンに詰めれれたらいいのに」

 

二人は雨に煙るマンダレーの館に到着し、大勢の使用人が二人を出迎えるが、

マンダレーの家政婦長ダンヴァース夫人(ジュディス・アンダーソン)のおおげさな歓迎に驚く。

マキシム:「これは やりすぎだ」

使用人:「ダンヴァース夫人が・・・」

マキシム:「(<私>に)驚かせてすまない」

<ジュディス・アンダーソン>

マキシム:「ダンヴァース夫人だ」

私:「はじめまして」

ダンヴァース夫人:「よろしくどうぞ お待ちしてました」

私:「ありがとう 何と言っていいか」

 

マキシムは1年前にヨット事故で、前妻レベッカを亡くしていた。

多くの使用人がいる邸宅の女主人となった<私>だったが、かつてのレベッカ付きの使用人でマンダレーの家政婦長ダンヴァース夫人(ジュディス・アンダーソン)から受け入れてもらえない。

アカデミー助演女優賞にノミネートされたダンヴァース夫人役のジュディス・アンダーソンが名演。

 

ある時、嵐の夜にヨットで遭難したレベッカの死体が見つかった知らせであった。

改めてレベッカの死因が調べられることになる。

レベッカの死因に不審な点が・・・殺人か、自殺か?

レベッカの従兄ジャック(ジョージ・サンダース)はマキシムによる殺害を主張する。

疑心暗鬼に陥った<私>に、マキシムはレベッカの死の真相を語る。

 

ラストシーン

マキシムは嫌な予感を感じ、友人のフランク(レジナルド・デニー)とマンダレーの館に向かいます。

ラストはマンダレーの館が業火に包まれる。

マキシム:「あの光は何だ」

フランク:「冬だからオーロラかも」

マキシム:「オーロラじゃない マンダレーだ」

マンダレーの館が業火に包まれる。

レベッカの死の真相は、<私>はレベッカの呪縛から解き放たれる事が出来るだろうか。

前半は主人公ジョーン・フォンテイン<私>と対立するジュディス・アンダーソン(ダンヴァース夫人)の不気味な登場。

次第に心細くなるジョーン・フォンテイン<私>の心理描写が秀逸。

後半はレベッカの死の真相に迫るサスペンス映画の神様“ヒッチコック”の独壇場。

 

 

【過去の投稿】

<「カサブランカ」モノクロ・カラー版比較>ご訪問ください。

「カサブランカ」モノクロ・カラー版比較 | 映画・食品情報発信 (ameblo.jp)

 

モノクロで製作されたTVシリーズ「奥さまは魔女」第1シーズンもカラー化され、日本でもDVDで発売されました。

<ディック・ヨーク、エリザベス・モンゴメリー「奥さまは魔女」より>

 

日本でも2011年に、特撮テレビドラマ「ウルトラQ」が「総天然色ウルトラQ」として全話カラー化されDVDで発売されています。

<桜井浩子、佐原健二、西條康彦「ウルトラQ」より>

 

<「ウルトラQ・ガラモンの逆襲」より>

 

<「ウルトラQ・カネゴンの繭」より>

 

 

 

<当時の「レベッカ}日本版ポスター>

 

以上、シニア世代のアルフレッド・ヒッチコック監督ファンより。

文中、敬称略としました。ご容赦ください。