昭和の終わりころに「絵の出るレコード」として登場したレーザーディスク(以下LDと称す)。

当時のLDプレーヤー”の広告です。

大きさがアナログのLPレコードと同じ直径30cm。

ディスク両面に最大2時間の映像を記録できる光ディスク。

当時主流のビデオテープ(VHS)より画像も音も良く、盤面が銀色でキラキラして綺麗。

LDは、今のDVDのように映画、音楽なと、あらゆるジャンルのソフトが発売され、コレクター心をくすぐられて沢山買いました。

今では手に入らないレアなタイトルも結構あります。

コレクションを手放すのは寂しい思いですが、高齢の上に、私のコレクションを引き継ぐ者もいないのでLDプレーヤーをお持ちの方に、メルカリで激安(定価の10~20%)出品しています。

メルカリに出品している映画LD「聖獣学園(昭和49年・東映)」ジャケットの写真と共に、素敵な映画の思い出を振り返ります。

 

LD仕様:カラー/シネマスコープ/91分/チャプター付

 

「聖獣学園」は修道院が舞台のエロティック・バイオレンス。

修道女だった母の死因を突きとめるため、修道院に入る多岐川魔矢(多岐川裕美)の復讐と惨劇。

ヌードを披露し、拷問シーンなど体当たりの演技を見せた多岐川裕美の衝撃デビュー作。

共演は、魔矢と知り合う夜の手配師・健太に谷隼人、修道院の院長に森秋子、副院長に三原葉子、少年刑務所出身の助修女・松子に山内えみこ、清純でひたすら神を信仰する久子に渡辺やよい、本部の司祭に渡辺文雄。

 

監督は「トラック野郎シリーズ」全作を手掛けた鈴木則文。「大阪ど根性物語 どえらい奴」(昭和40年)で監督デビュー。任侠・ポルノ・格闘・アクション・漫画など多彩なジャンルの作品を発表しています。「女番長シリーズ」など不良性感度のB級娯楽映画を良識ある人々から批判されながら撮り続けました。

 

鈴木監督は藤純子演ずる「緋牡丹博徒シリーズ」の脚本を手掛け、緋牡丹お竜のキャラクターを確立させました。菅原文太は「トラック野郎シリーズ」で新境地を開いています。映画賞などとは終生無縁でしたが、映画界への功績は大きい。優れたプロポーションの女優が鈴木作品でヌードを披露していますが、それは鈴木の女優に対する扱いの良さだと言われています。平成26年5月80歳没。

 

筑摩書房から出版されている鈴木則文著「東映ゲリラ戦記」の「聖獣学園」の記述の一部を紹介したい。

『「聖獣学園」はジャンルでいえばポルノ路線に入るが、宗教問題もあり、主演女優でヌードになり宣伝になる新人をスカウトする条件で本社企画が通った。新人探しから始まったが成人映画への拒絶反応も強い。当時、東京駅近くで地味なアルバイトをしていた大きな眼が印象的で美しい女子大生をスカウトし、芸名は主人公の多岐川を取って、多岐川裕美とした。当人は今まで学芸会すらやったことがなく、女優になるなんて考えた事がなかったらしい。しかし、撮影が進むにつれて着実に多岐川魔矢に変貌していった。映画女優・多岐川裕美誕生である。』

<鈴木則文著「東映ゲリラ戦記」より>

 

<鈴木則文監督>

 

「聖獣学園」の売りはポルノでも、一般映画です。

映画封切り当時は、「学生やくざ」(渡瀬恒彦主演・清水彰監督)との2本立でしたが、想像出来ないほどの不入りだったと言われています。

多岐川が清純派イメージで人気を高めていた頃「聖獣学園」がメディアに取り上げられ「狂い咲きサンダーロード」(石井聰互監督)との2本立で再公開され、興行成績も大健闘しました。

DVD化もされているので、サービス精神にあふれた鈴木則文ワールドを堪能されたい。

レーザーディスクはコピーガードが無いので、DVDにダビングが可能です。

LD終焉期にパイオニアから、LDダビング用のDVDが発売された事もありました。

いやー、映画って楽しいですね。シニア世代からの投稿です。

文中、敬称略としました。ご容赦ください。

 

【過去の投稿もご訪問ください】

レーザーディスクの思い出を投稿した

「レーザーディスク」絵の出るレコード(20212月)

https://ameblo.jp/sinekon/entry-12655228561.html?frm=theme

 

<鈴木則文監督作品>