★7組目 さや香 よしもとクリエイティブエージェンシー大阪

左 新山士彦  右 石井誠一

 

ネタ 歌のお兄さん(全書き下ろし)

 

石井「どうも、さや香です宜しくお願いします」

新山「お願いします」

石井「石井と新山、男2人でさや香と言います宜しくお願いします。こうやってみんなの前で、漫才さしてもらってるわけなんですけど」

新山「うん」

石井「僕実は芸人以外にもなりたかった職業って言うのがありましてね」

新山「ほう」

石井「あのー、歌のお兄さんに、なりたかったんですよ」

新山「(相方を不思議そうに見る)」

石井「小さい頃からのあこがれで、もう当時おっきくなったら絶対に・・」

新山「ちょちょちょ、なに、それ」

分からないと言う演出で誰でも知っていることを初めて利いた風にリアクションする事で、キャラクターをだし、独自のボケを出しやすくしています。

石井「なにそれ」

新山「うん」

石井「ちゃう、歌のお兄さんになりたかったんよ」

新山「歌のお兄さん」

石井「うん」

新山「あ、タモリさんの事」

理屈上はそうだけど、そうは言わないだろうとおもうフレーズ。

石井「ちが、ちが、ちが、ミュージックステーションの司会の事歌のお兄さんの事を言ってるわけじゃないから、歌のお兄さん、ちっちゃいときみんな見てるって、ねえ」

新山「えー」

石井「いや、それは、もう忘れてるだけや」

新山「おー、忘れてるの」

石井「絶対そうや、そんなん、じゃ憧れもあったし歌のお兄さん、ちょっと、やらしてよ」

新山「うん、うん」

石井「絶対思い出すよ、はい皆歌のお兄さんだよ、こーんにちはー」

新山「(お辞儀2回する)こんにちは」

石井「最初の歌は何作ろー」

新山「何作ろう」

石井「グーチョキパーで(振り付けあり)」

新山「なんやその名前」

石井「グーチョキパーで」

新山「えっ」

石井「なにつくろー」

新山「なにつくんの」

石井「なにつくろー」

新山「どうすんの」

石井「右手はグーで左手はチョキでー、カタツムリ」

新山「ほんまや」

大人が当たり前に見てきたことを驚き納得するという不自然な面白さです。

石井「カタツムリー」

新山「ほんまや」

石井「グーチョキパーで」

新山「おおおおお」

大人がそんなにくいつくのかという不自然さの笑いです。

石井「なにつくろー」

新山「次はなに」

石井「なにつくろー」

新山「期待してるで」

石井「右手はパーで左手はグーで、ヘリコプター」

新山「流石や」

引き続き、脱帽する演技で笑いを誘います。

石井「ヘリコプター」

新山「流石や」

石井「グーチョキパーで」

新山「(手拍子)はい」

石井「グーチョキパーで」

新山「はい」

石井「何作ろー」

新山「(右拳を上に突き上げて音頭を取る)おい、おい」

そこまでのりのりかい、というハイテンション芸です。

石井「何作ろー」

新山「おい、おい」

石井「(軽く突き飛ばす)うるさいねん、こらー」

テンションが高すぎるのが続くため、一端突っ込んで、笑いを止め次に展開します。

新山「なにこれー」

石井「楽しんでんの、それ」

新山「楽しい歌のお兄さん」

石井「やとしても、こんな乗り方ならへんこの歌」

新山「めっちゃええやん」

石井「あったやん、こうゆうの」

新山「え」

石井「じゃ次は、ビスケットの歌」

新山「ビスケットの歌」

石井「ポケットの中にはビスケットが1つ」

新山「生、生、生」

一番素朴に思うことを大人が今さ言う面白さです。

石井「ポケットを叩くとビスケットが2つ」

新山「なんでやねん(後ずさりする)、(戻ってくる)なんで、なんで1枚ちょうだい」

石井「もひとつ叩くとビスケットは3つ」

新山「また増えた、絶対次4つ、絶対次4つ」

石井「叩いていくたびビスケットは増える」

新山「ふ―えーるー(おかしなポーズ)」

漠然とした言葉に大きくリアクションする滑稽な面白さです。

石井「うるさいなー」

新山「増えるは何枚、増えるは何枚」

石井「のめり込んでるやん」

新山「今のめっちゃええ歌やん、ビスケットの歌」

石井「ええ歌とかじゃないやん、こうゆうのあったやん」

新山「ちょっとちょっと、今の桑田佳祐」

石井「桑田佳祐の歌ちゃうよ、ポケットのって・・」

新山「にてなーい」

いかに大人が無邪気にするかの面白さになります

石井「似てるとかええねん、今」

新山「うわー」

石井「次は歯磨き上手かな」

新山「歯磨き上手かな」

石井「誰にやってもらおうかな」

新山「はーい、はい、はーい」

石井「君にやってもらおう」

新山「いえーい(ダブルピース)」

石井「歯磨き上手かなーあー、自己紹介お願いします」

新山「新山土彦26歳、将来の夢は歌のお兄さんです」

普通に大人が、始め乗り気でなかった歌のお兄さんが夢になってる面白さです。

石井「夢になってんの、上の歯(磨く描写)」

新山「(磨く描写)」

石井「下の歯、前歯、奥歯」

新山「かっ」

石井「シュワシュワ、クチュクチュ、シュワシュワ、クチュクチュ、シュワシュワ」

新山「くわー(吐きそうになる)」

子供の体でやってるのに、大人の描写をしっかりすることで、笑いに変換しています。

石井「そんなん、ならへんて(軽く突き飛ばす)、おえとかならへんねん、子供がやってんねんから」

新山「(元の位置に戻る)」

石井「じゃあ次は結んで開いて」

新山「結んで開いて」

石井「みんな一緒にやってね」

新山「はい」

石井「結んで開いて手を打って」

新山「(うなずいてリズムにのって手を打つところから一緒にやる)」

石井「結んで、また開いて、手を打って、その手を、上に」

新山「おもんな(右足で床を踏みつける)、おもんな(下手に移動しながら)」

当たり前に聞いてきたけれど、純粋な意見をずばっと言うことによって、起きる笑いです。

石井「おもんなってなんやねん」

新山「おもんな、なに今の、ちゃんとやって、最後(手を上に上げる)なにこれ」

石井「そんなぴーんとやってへん」

新山「なにこれ」

石井「そんなやってへん」

新山「おもんな」

石井「次が最後の歌だよ」

新山「最後、最後、いやー(抱きつく)、(離れる)、最後、おにいさーん(下向いて泣く)」

無邪気なら無邪気なほど笑いになるよう構成され面白くなっています。

石井「これ対象年齢3歳とかやで」

新山「はあ、はあ、はあ」

石井「幸せなら手を叩こう(手を2回叩く)」

新山「(挙動不審に興味持ち、手を2回叩く)」

石井「幸せなら手を叩こう(手を2回叩く)」

新山「(大ぶりで2回合わせて叩く)」

石井「幸せなら態度で示そうよ、ほらみんなで手を叩こう」

新山「(右手を上に大きく上げ下げする)おい、おい、おい、おい(4回目から両腕上げ下げ)、おい、おい、(右手を掲げ)2階席」

一端落ち着いてからの急なハイテンションのスピードにおかしくなってしまいます。

石井「(軽く突き飛ばす)何言うてんねんお前、そんな歌ちゃうねんこれ、2階席なんてないわ、ほんで」

新山「あと、おれさ、芸人辞めて歌のお兄さんやる」

石井「どんだけはまってんねん、もうええわ、どうもありがとうございました(お辞儀)」

新山「ありがとうございました(お辞儀)」

(ここの説明も欲しい等ありましたら、コメント下さい。)

 
⑩につづきます。