★5組目 かまいたち よしもとクリエイティブエージェンシー大阪

左 山内健司  右 濱家隆一

 

ネタ 怖い話し(全書き下ろし)

 

かまいたち

 

濱家「どうも、かまいたちです、宜しくお願いします」

山内「お願いします」

濱家「あの、僕ですね、怖い話しを聞いてぞっとする感じが好きなんですよね」

山内「えー、珍しい」

濱家「珍しいですか」

山内「うん」

濱家「おー」

山内「僕はね怖い話し聞いたらね、イラっとするんですよ」

濱家「お前の方が珍しいや」

山内「珍しい」

濱家「なんでいらっとする事が、あんねんな」

山内「その、なんやねんその話し、と思ってな」

濱家「なれへん、なれへん」

山内「壁とかばーん(叩く様子実演)やって」

濱家「危ない危ない」

山内「(叩く様子さらにやる)」

濱家「カッときたら手出るタイプ」

山内「うん」

ここは後半にボケとして使うために「叩く」を入念に振っています。

濱家「治せよその癖」

山内「でも、ほんまにぞっとする話しなんか、ないやん」

濱家「ありますよね、学校の怪談、トイレの花子さんとかね」

山内「全然ぞっとせえへん」

濱家「ある学校に50年以上使われていない、旧校舎があるんですよ」

山内「もうイラっとしてるもん」

濱家「どこに」

山内「いや、取り壊せよ」

考えの隙を言って「取り壊せ」、まあ確かにと笑いにいざなっています。

濱家「なにが」

山内「50年以上使ってない旧校舎」

濱家「いや、違う、そんな細かい」

山内「取り壊せよ」

濱家「細かいところはええねん別に」

山内「なぜ、残してるの」

濱家「いや、ああ」

山内「話しが不自然で、入ってきいひん」

濱家「わかった、わかった」

山内「普通取り壊す・・」

濱家「呪われた旧校舎やから」

山内「うん」

濱家「作業員が入っても、なんか事故とか起きてなかなか中に入ったりできへんねやないか」

山内「ほな、外から爆破したらええ・・別に中は入らずに」

「外から爆破」しろと屁理屈を言って笑いに誘います。

濱家「うるさいな」

山内「外にダイナマイトしかけてドンってやったら済むやん」

濱家「大変やんそんなことすんのも」

山内「でも呪われてるから早くなくなったほうがええやん」

濱家「もう、あー危ないやん、爆破後者の破片が生徒にバンあたったら危ないやろ」

山内「休日にするやろ・・おかしいやん、授業中に横でドンドン」

突っ込みの熱くなって間違った台詞をボケがつけいって笑いに変えています。

濱家「うるさいねん(叩く)ぞっとするねんから黙って聞いとけよ」

山内「そうゆうところがイラッとするんですよ」

濱家「その旧校舎の3階のトイレの奥から3番目の扉を3階ノックしたら、花子さんが出てきてトイレに引きずりこまれんねん」

山内「その3階の3番目とか、その3は何」

濱家「いや、そこは」

山内「花子さんてどうゆう関係」

濱家「なんか、もう、まつわる数字なんや花子さんに」

山内「え、花子さんのさんって数字の3」

3という数字を花子さんの3に当てる駄洒落ボケです。怖い話しをしているので、緊張と緩和にも繋がっています。

濱家「そんなわけないやろ」

山内「え、え」

濱家「花子3なわけないやろ」

山内「え」

濱家「え、じゃないやろ、違うよ」

山内「ほな、最後どうなる」

濱家「トイレの中に引きずり混まれんねん」

山内「その後は」

濱家「引きずり込まれて終わりや」

山内「それやったらこわないですよね」

濱家「こわいやないか、女の人が」

山内「ガチャ」

濱家「ああ、花子さんやめて、花子さんやめて」

山内「(引きずり込む)バタン・・」

濱家「(気まずい雰囲気)」

山内「気まずいだけやん」

不明確になっている怖い部分をリアルに演じてたいしたことないと言う緊張と緩和の笑いです。

濱家「違うねん、そうゆうことじゃないねん」

山内「きまずさが怖いって話し」

濱家「そんな話しじゃないねん、怖いやろ、おかっぱの女の子に引きずり込まれんねんでお前」

山内「それやったら」

濱家「え、なんや」

山内「ムキムキの」

濱家「え」

山内「スキンヘッドでおでこに卍のタトゥーの入った大男に引きずりこまれる方が」

濱家「怖さの種類が違うねん」

怖い別の意味を持ってくる笑いです。

山内「そう」

濱家「それ、お化けでもない、ただただ怖いだけやないか」

山内「どっちが怖い」

濱家「なにが」

山内「ちっちゃい子、でっかい卍」

卍と言う言葉を使うことで癖をだし端的に言え、耳に残るように演出されています。

濱家「それ比べれるもんじゃないねん、怖さの種類が違うから」

山内「私情挟まず答えて」

濱家「いや」

山内「ちっちゃい子、でっかい卍」

濱家「比べれるもんだいじゃないねん」

山内「私情挟まんといて」

濱家「だからお化けの」

山内「私情挟まんで答えて、」

濱家「私情なんか挟むかこんな話しに、この話しに対する俺の私情ってなんやねん、これ」

日常に起こりえる「私情挟むな」と言う言葉を、違う場面に滑り込ます事によって不思議な会話のやりとり勝つ面白くみさせています。

山内「普通卍が怖い」

濱家「卍なんかが出てきたら話し変わってまうやないか」

山内「トイレの卍さん」

印象づけた「卍」という言葉を参入することで、だんだん存在自体を面白く演出されています。

濱家「なんやそのタイトル」

山内「花子さんよりぞっとしますよね」

濱家「メリーさんはほんなら」

山内「ぞっとせえへんよね」

濱家「捨てた筈の、フランス人形のメリーさんから電話かかってくんですよ、もしもし私メリーさん今駅前にいるの。だんだん、だんだん、近づいてきて最終的には、もしもし私メリーさん今あなたの後ろにいるのー」

山内「回りくどいねん(グーで肩を殴る)」

ここで冒頭で入念に振っておいた「叩く」を使っています。

濱家「あ、手だすな(のけぞる)、なんやねん、悪い癖でてんねんで、お前は」

山内「フランス人形が徐々に徐々に」

濱家「徐々に近づいてくんのが怖いねん」

山内「そこがイラッとすんねん」

濱家「せえへんわ」

山内「それやったらもう最初からな」

濱家「なんや」

山内「ムキムキのスキンヘッドの」

濱家「辞めろそいつ」

山内「卍のタトゥーの入った大男が」

濱家「やめろ」

山内「もう目の前にいる」

空想の話しと現実の話しの落差を表現して笑いを誘っています。

濱家「どうゆう話しやねん」

山内「私メリーさんです」

濱家「めちゃくちゃ怖いやないか」

山内「それやったら、わかる」

濱家「それやったら、ちゃう、口さけ女、ほら口さけ女」

山内「ぱっとせえへん」

濱家「マスクつけた女性が近づいてくるんですよ」

山内「知ってますよ」

濱家「私綺麗って聞いてくるから」

山内「そう」

濱家「はい、綺麗ですって言ったら、マスクぱっと取ったら、ここまで口がギャーさけてんねん」

山内「心配なるわ」

怖いことよりも別の人に対する普通の感情を言うことで面白くなっています。

濱家「ホンマか、お前」

山内「大丈夫かな」

濱家「口さけて大丈夫かなってなるか」

山内「大丈夫って思うたら、あかんやろ(指刺す)」

濱家「あかんやろじゃなくて、大丈夫かななんて」

山内「怖い話しにならんやろ(指刺す)」

濱家「お前しか大丈夫じゃないやろ」

山内「なるやろ(指刺す)」

濱家「危ないな、怖いやろ目の前でこんなんされたら(両指で指刺す)お前も怖いやろ、なんで怖ないねん(額叩く)その変の感覚ないんか気持ち悪い」

嫌な事をじわじわさせられて、おかえしにまとめて同じ嫌な事をしたが全く平気という、滑稽さで笑いになっています。

山内「口さけ女来ても怖ない」

濱家「怖い、いうてんねん」

山内「それやったらな」

濱家「なんや」

山内「向こうからニット帽被ったムキムキの大男が歩いてくんねん」

濱家「なんやそいつ、ちょっと待て、おい」

山内「私卍って聞いてきた方が」

さっき耳に残っている卍が、また出てきた事ですぐに理解出来て笑いになります。

濱家「なんやねんその質問」

山内「そんな卍じゃないですけどねって言ったら」

濱家「まて、やめ」

山内「これでも、って帽子をすぽんって取って、おでこに卍のタトゥーが」

口さけ女を卍の人に変えてやり、滑稽さを演出されています。

濱家「おかしいやろ(突き飛ばす)なんやねん私卍って、そんなこと無い卍じゃないって言ってる奴もなんやそいつは」

山内「お前も怖い話し聞いてイラッとしてるな」

濱家「お前にイラッとしてんねん、もうええわ、どうもありがとうございました」

(ここの説明も欲しい等ありましたら、コメント下さい。)

 

⑧につづきます。