★2組目 カミナリ グレープカンパニー
左 竹内まなぶ 右 石田たくみ
ネタ 一番強い生物(全書き下ろし)
たくみ「はい、どうも、こんばんは、カミナリです。おねがいします」
まなぶ「ねえねえ、たくみ君」
たくみ「どうしたの、まなぶ君」
まなぶ「たくみくんはさ、この世の中で、一番強い生物って何だと思う」
たくみ「この世で一番強い生物、そりゃやっぱり熊だな、熊、でけーし、爪あっから」
まなぶ「ああー」
たくみ「熊が一番強えと思うよ」
まなぶ「これ実はね、ホオジロザメなんだよ」
たくみ「え、熊よりホオジロザメの方が強えの、え、なんで」
まなぶ「いやホオジロザメ、強靱な顎持ってるから何でも食べちゃうんだよ」
たくみ「いや熊だって鋭い爪持ってるから攻撃できっぺよ」
まなぶ「よく考えてみろ、熊、水中で息できねえし泳げねえから、溺れちゃうんだよ
ここで当たり前のように水中で闘う体で話してそこに触れなく、見てる方が若干の違和感を感じさせ時間差で突っ込むことにより、安心と笑いを生み出す手法です。
ここのコンビは叩いた後、笑う部分が起きるという情報提供が凄く見やすく共感しやすい芸風でもあります。
たくみ「うん」
まなぶ「そこをホオジロザメが食べちゃうんだよ」
たくみ「ああー」
まなぶ「よってホオジロザメが一番強いんです」
たくみ(叩く)「バトルフィールドが海前提の話しだな、なんで海の中に熊がいる体でお話してるんだよ、そりゃホオジロザメ勝つにきまってぺよ、じゃ逆で考えてみろ、陸で闘ったら熊の方が勝つに決まってっぺよ、ホオジロザメ、ぴちぴち、ぴちぴちって」
まなぶ「誰が陸にホオジロザメ上げたんだよ」
ここも、自分の価値観の押しつけた直後に突っ込みやすい環境になっている構成です。
たくみ「誰が海に熊ぶち込むんだ・・バトルフィールド海やめっぺよ、海は無限の可能性あっから、地上で考えっぺ」
まなぶ「ああ」
たくみ「そしたら一番強いの熊だな熊。でけーし、爪あっから」
まなぶ「ああーしたら一番強いの大鷲だな」
たくみ「大鷲、あの肉食のでけえ鳥」
まなぶ「うん」
たくみ「あんなの熊一発でたおせっぺよ」
まなぶ「よく考えてみろ、崖の上から大鷲落としたら大鷲羽あるから飛べるんだよ」
たくみ「うん」
まなぶ「でも崖の上から熊落としたら、熊羽ねえから、おっこって死んじゃうんだよ」
たくみ「うん」
ここでは崖の上で闘うのではなく、崖から落とすという1手間くわえて喋っています。
まなぶ「そこを大鷲が食べちゃうんだよ」
たくみ「ああー」
まなぶ「よって大鷲が一番強いんです」
たくみ(叩く)「崖から熊落とした奴が一番強えな、誰ださっきから崖から熊落としたり、海にぶち込む奴、それでバトルフィールド崖になってるし、平地で考えるっべ」
ここの違和感のあるところを、「崖から熊落とした奴が一番強えな」と一番納得する言葉でさばかれて、全体が共感出来るようになっています。
まなぶ「平地」
たくみ「地面に足ついている状態」
まなぶ「ああ」
たくみ「そしたら、一番強いの熊だな熊。でけーし、爪あっから、うん」
まなぶ「したら一番強いのこの俺、竹内まなぶだな」
たくみ「おめえ、熊より強えの」
まなぶ「うん」
たくみ「あれだよ、ピストルとか武器使っちゃだめだよ」
まなぶ「ああ、なんなら熊と条件揃えて俺全裸で闘うよ」
ここは隠し振りで、後半にまとめて突っ込む作業の為の1つとして「全裸」という言葉を説明背率風にさりげなく話されています。
たくみ「どうやって全裸で熊と闘うんだよ」
まなぶ「まず、動物に詳しい動物博士ご指導のもと、熊を街中に追い込むんだよ」
ここは隠し振りで後半にまとめて突っ込む為の1つとして、「動物博士」を自然に話してる風にみせかけています。
たくみ「うん」
まなぶ「そしたら警察と自衛隊が来るんだよ」
ここも隠し振りで後半にまとめて突っ込むために「警察と自衛隊」という2つの単語を入れております。
たくみ「ちちと、待て、お前、またバトルフィールド街中にしてそれ(叩く)熊が不利だっぺ、そんなことしたら」
ここは突っ込むことで後半の振りのために使われている事をより、隠すことが出来、ここでも笑いをとれ一石二鳥です。
まなぶ「よく考えてみろ」
たくみ「うん」
まなぶ「熊には爪って言う武器があるんだよ」
たくみ「うん」
まなぶ「でもこの俺には知恵って言う武器があるんだよ、その武器使って何が悪い」
たくみ「あ、知恵って言う武器使っただけか、そりゃごめん」
まなぶ「だめだよ、自分が間違ってるのに、人の頭ひっぱたいたら」
ここは叩いて突っ込む事そのものを振りに突っ込みがえし、共感を誘っています。
たくみ「熊街中に追い込むベよ、自衛隊と警察が来る。で、どうやって闘うんだよ」
まなぶ「また動物博士ご指導のもと、熊を追い込んで、自衛隊が熊を一生懸命取り押さえるんだよ」
たくみ「うん」
まなぶ「自衛隊からハンマー借りるんだよ、熊ボコボコにするんだよ、よってこの俺が一番強いんです」
ここも隠し振りでこの後の突っ込みがより生きるようハンマーという単語を使用しています。
たくみ(叩く)「熊可哀相だな、なんでよってたかって熊ボコボコにして、なんでおめえ、自衛隊からハンマー借りるって(叩く)自衛隊にハンマーのイメージはねえな、ほんでお前、ハンマーって知恵以外の武器使ってっぺよ(叩く)知恵使ったの動物博士だけだな、お前全裸でハンマーもってあーあーってやってただけだっぺよ、なんだ熊街中に追い込んで、自衛隊と警察が来るなんだこの作戦(叩く)警察は全裸のおめーに用があんな、おめーが全裸でハンマーもってあーあーってやってから警察が大変だーって来たんだろ、この世で一番強いのは熊だと思います。はい、熊より強えのあるなら言って。はい、熊より強えのなんですか」
ここで「可哀相だな」とスタンダードな突っ込みでハードルを下げて、メインとなる畳みかけ突っ込みがおこなわれます。
「自衛隊にハンマーのイメージはねえな」
「知恵使ったの動物博士だけだな」
の伏線を回収し、ここでたたみかけ終わったかのように若干長く喋り、お客さんの意識をずらしている演出も上手です。そして
「警察は全裸のおめーにようがあんな」
で全ての隠し振りを突っ込み、連続で突っ込むことにより去年のカミナリの進化形として見せることが出来たのです。
まなぶ「んーとね、モグラ」
たくみ(叩く)「諦めんな、馬鹿この、どうも、ありがとうございました」
ここで締めの一品「モグラ」でこの話自体を降りる演出もされるボケをされて締まりました。
まなぶ「ありがとうございました」
⑤につづきます。