街の端の一角
そこは聖杯戦争に敗れたマスターが保護される場所として利用されることになった。
そこに一人の男が立っていた。
その男は金髪で丸メガネをかけ、祭服を身に着けていた。
そして常に笑みを絶やさない男だった。
「さて」
男が歩き出す。
この場所にありとあらゆるものが集まってきている。
動物、人間、虫等々
これら全てがこの街に集まってきた魔術師の使い魔たちだ。
「頃合いですね」
男が立ち止りしゃべりだす
「さて、お集まりの皆様
今宵の聖杯戦争の監視役、ディールト・ベヘルセンでございます。」
ディールトと名乗った男は深々と頭を下げる
頭を上げると言葉を続ける。
「今宵の聖杯戦争、誰が、どんな目的で、まではわかりませんが
冬月で起こった聖杯戦争、そこで使われた聖杯をコピーしたのはいうまでもないでしょう
ですが、そのコピーも完璧ではないようでした。
皆様もお気づきでしょうが、令呪を持っていたとしてもサーヴァントの召喚に
成功しないという異常事態が起きていました。
ですが、その辺はご安心をすでに解決済みでございます」
ディールトの後ろの暗くなっている場所からから二人組が出てくる。
顔まではわからない。
だが、二人とも右手に令呪を宿している。
「どうやら今宵の聖杯戦争
同じ令呪を持つ魔術師同士が一緒にサーヴァントを召喚しなければ
サーヴァントの召喚に成功しないようです。
実際にこの二人組は成功いたしました。
サーヴァントは見せることは出来ませんがね。」
ディールトの後ろにいた二人組が再び暗闇に戻っていく。
そしてディールトが話の流れを変える。
「それともう一つ、私が調べたところ
配られた令呪は20のようですね。
半分にしても10
どうやら今回呼ばれるサーヴァントは10騎のようでございます。
今宵の聖杯戦争は普通の聖杯戦争とは違うご様子
魔術師の皆様、どうかご注意くださいませ」
ディールトが深々とお辞儀をする。
その場所に集まっていた使い魔たちが一斉に戻っていくのが感じられた。
ディールトが頭を上げると既にその場所には何もいなくなっていた。
彼は月を見上げ静かに笑みをこぼした。
「さぁ、今宵の聖杯戦争は荒れそうだ。」
その手には令呪が光り輝いていた。
