?「やくそくする。10年後の七夕。むかえに行くから。」
パコーンッ!!!
麗「いった!!!」
澤「俺の授業で寝るとはいい度胸だな、守屋。しかも受験生の立場で。罰として今日の昼休みに職員室に来い。」
麗「えー。」
澤「えー、じゃない!それとも課題を倍に増やしてやろうか?」
麗「ヨロコンデイカセテイタダキマス。」
お昼
玲「せっかくの昼休みが潰れちゃったね(笑)」
麗「もー。玲ちゃん、隣の席なんだから起こしてよ〜」
玲「起こしたよ!だけど、幸せそうな顔して起きなかったのはそっちじゃん。どんな夢見てたの?」
麗「夢...なんか見てた気はするんだけど、なんだったっけ?忘れちゃった!れなったら、コツっ!」
玲「コツやばい。(笑)」
...なんか懐かしい夢だったなぁ。
玲「そろそろ、澤部先生のところ行かないと行けないんじゃない?」
麗「あ!ほんとだ!遅れたら今度こそ課題増やされる!!」
玲「行ってらっしゃ〜い。さ、本でも読もっと。」
麗「やばいやばい。13時に来いって言われてたのに、もう13時だよ〜。急げっ急げっ!キャッ!」
?「...っと。大丈夫?」
麗「す、すみません!前を見てなくて!急いでるので!」
?「あ...。やっと会えた。」
麗「失礼します!3年の守屋麗奈です!澤部先生に用があって...」
澤「2分遅刻。」
麗「すみません...で、なんで呼ばれたんでしょう?」
澤「転校生が来ることになってな。校内を案内してもらおうと思って。」
麗「なんで私なんですか?」
澤「ん?暇そうだから。それに寝てたお前が悪い。(笑)」
麗「もー。で、どんな子なんですか?」
澤「えっとなー、背が高くて...ってあれ?さっきまでここにいて、もうすぐ案内してくれる奴が来るから待ってろって言ったのに、どこいったんだよ!」
?「あー。すみません、戻りました。」
澤「あー、いたいた。勝手にうろうろするな、藤吉。」
藤「窓の外に猫が見えたから。」
澤「わかったわかった。こいつ、守屋。お前と同じクラスになる奴だ。今から校内案内してくれるから。じゃ、守屋、あとよろしく。」
そう言うと澤部先生はバスケットボールを持って行ってしまった。
暇なら澤部先生が案内すればいいのに!
麗「初めまして!守屋麗奈です!藤吉君?よろしくね!」
藤「...よろしく。さっきはごめん。」
麗「ん?さっき?」
藤「ぶつかったでしょ?あれ、俺だったんだ。」
麗「そうだったの!こちらこそごめんなさい。じゃあ、案内するね!」
藤「...よろしく。」
そこから、校内を案内した。
藤吉君は背が高くてなかなかかっこいいからか、案内しているととても注目を浴びた。
麗「...と、まあ、こんな感じかなぁ?もうお昼休みも終わるし、あとは明日から少しづつ探検してみるといいよ。」
藤「わかった。ありがと。」
麗「そーいえば、藤吉君はなんで引っ越してきたの?どこから?」
藤「...」
麗「藤吉君?」
藤「...覚えてない?僕のこと。」
麗「?私たち会ったことあるっけ?」
藤「...。」
藤吉君は悲しそうに俯いてしまった。
麗「ご、ごめん!れな、ばかだから忘れちゃってるのかもしれない...!」
藤「...僕は、麗奈に会いに来たんだよ。」
麗「...へ?」
藤「10年前。麗奈がおばあちゃんの家に遊びに来てた。1週間だけだったけど、僕となかよくなってたくさん遊んだでしょ?」
...10年前。おばあちゃんち。男の子...。
麗「あ!もしかして、りんくん?!」
そう呼ぶと、藤吉君はぱあっと笑顔になった。
まるでわんちゃんが耳としっぽをパタパタさせてるように。
麗「えー!久しぶりだねぇ!あの時は麗奈よりもちっちゃくて華奢だったのに!こんなに大きくなって!それで、麗奈に会いに来たってどういうこと?」
藤「最後の日、僕と一緒に七夕のお願いしたでしょ。『また会えますように。』って。その時約束した。『10年後の七夕の日に迎えに行く』って。」
麗「...七夕...あ!今日七夕か!覚えてたんだ!りんくんすごい!」
藤「麗奈。」
麗「ん?」
藤「麗奈のことが好きだった。あの時からずっと。でもあの時は麗奈を守れる自信がなかった。10年経てば、麗奈を守れるようになると思った。だからあの約束をした。今は自信をもって、麗奈を守れると言える。だから、僕と付き合ってください。」
麗「...はいっ!」
まるで織姫と彦星がやっと会えたかのように、私達もやっと会えた。
だから、今年の七夕も一緒にお願い事しよう。
『ずっと一緒にいられますように。』
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7/7に777のゾロ目!嬉しい。
いつもお読みいただきありがとうございますm(_ _)m