天「夏鈴?大丈夫??」
手足、いや、身体の震えが止まらない。
どうして今まで忘れてたんだ。
ひ「思い出した?」
夏「はあっ、はあっ、」
天「夏鈴…」
天やひかるが何か言ってる。それはわかる。
でも空気が上手く入ってこなくて、視野がぼやけて、キーンという耳鳴りのせいで耳も聞こえなくて何を言ってるか分からない。
頭の中に、色んな映像が断片的に出てくる。
それが出てくる度に身体の震えが大きくなる。
…ダメだ。
天「夏鈴!」
天side
目が覚めると手足が上手く動かせなかった。
頭も痛いし、嫌だなぁって思った。
でも、起きたら夏鈴やねこちゃんがいて少し安心した。
そしたらひかるがやってきて、早く帰ろって言ったのに、帰れないよって言われた。
そしてひかるが夏鈴にこの場所を知ってるでしょ、と言った途端。
突然夏鈴が倒れた。
天「ひかる!夏鈴が!!」
ひ「大丈夫。きっと昔を思い出して、いや、思い出したくないことを思い出さされて、脳が危険信号を出して止まっただけだろうから。」
天「…いつものひかるじゃない…」
ひ「ま、とりあえず、夏鈴が起きてからかな。じゃね。」
そう言ってひかるは部屋から出ていった。
夏鈴はまだ固く目を閉じている。
眉間に皺を寄せ、大粒の脂汗を額にうかべたまま。
夏鈴が苦しんでるのに、僕は何も出来ない。
くやしい。
にゃあ〜
天「…慰めてくれるの?あの時みたいだね。ありがとう。」
ニャッニャッ
天「うん。夏鈴が起きるの待っていよう。」
ねこちゃんのおかげで少し気分が楽になった。
しばらくして夏鈴は目を覚ました。
だけど僕の知ってる夏鈴じゃなかった。
あれからずっと、部屋の隅で体育座りをして顔を伏せている。
僕が「夏鈴」と呼んでも、ねこちゃんが寄っていっても無反応。
なんだか悲しい。
ひ「あ、夏鈴起きた?」
夏「…」ビクッ
ひ「じゃあ、2人ともこれを被ってね。」
突然現れたひかるは、コードの着いたヘルメットのようなものを僕たちの頭に被せた。
夏鈴は少し抵抗しようとしたが、そのかいなく、被せられていた。
天「これなに?」
ひ「心配しないで。少し気分は悪くなるかもだけど。」
周りを見ると、ねこちゃん達にも同じようなものが被せられていた。
ひかるが部屋から出ていったあと、ピリピリと電流が流れてくる感じで、頭が締めつけられるように痛くなった。
そのせいか、ひかるが言うようにだんだん気分が悪くなってきた。
……少しどころじゃなく、ものすごく。
夏鈴もねこちゃんも同じなようで、それぞれ苦しんでいた。
そして時々ねこの声のようなものも聴こえてきた。
これが実験…。なんの…?
しばらくしてピリピリとした感覚はなくなったが、またしばらくすると同じような時間、同じような痛み、気分の悪さが訪れた。
それが何度も何度も繰り返された。
…もうやめてよ。
何度目かの苦痛に耐えたあと、ひかるがご飯を持ってやってきた。
いつもの美味しそうなひかるのご飯ではなく、
ただのコンビニのおにぎり。
ひかる特製のお味噌汁も無いし。
気分悪いし。
食欲なんか湧かない。
ひ「今日の実験はさっきので終わりだよ。これでも食べてね。明日もよろしく。」
そう冷たく言い放つと、ひかるはまた部屋から去っていった。
...これがまだ続くのか...。
夏鈴を見るが、体育座りで顔を伏せた状態から微動だにしない。
もう疲れた。
僕もねる。
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お久しぶりです。
『猫に鰹節』まだ続きます...。
全然更新できないし、待ってくださってる方がいるか分からないですし、なんか話もよく分からん!ってなってる人もいるかなと思うんですけど、途中で辞めるのは嫌なのでまだ続けさせてくださいm(_ _)m
私事ですが、本日(7/1)またひとつ歳をとります!
ミーグリで玲ちゃんと夏鈴ちゃんにお祝いしてもらいました(* 'ᵕ' )☆
推し活も充実させつつ、そろそろ、プライベートも充実させれる1年にしたいと思います。
今後ともお付き合いよろしくお願いします。
SiN🌱