…ニャッ






…ニャッニャッ






夏「…んっ、レオ、ン…?はっ!!!」


ねこの鳴き声がして目が覚めた。

手元にはもふもふとした感覚。




夏「おはよ。起こしてくれてありがとう…。」

手元を見るとねこちゃんがすり寄ってきていた。そんな自分の手首を確認すると結束バンドで縛られている。



ぼーっとする頭のまま、今置かれている状況について考える。

…たしか…。




夏「…あっ!天は!!!」

にゃ〜ん

ねこちゃんに教えられた方を向くと横たわった天がいた。

夏「天っ!!」




天の周りにはいつも一緒にいる、神社から居なくなっていたねこちゃんたちも集まっていた。



手首だけでなく、足首も縛られているようで、這いつくばってなんとか天の元まで行く。




夏「天、天ってば!」

同じように縛られている天の体を揺する。

天「んんっ…かりん?」

夏「はぁ…よかった…」

天「夏鈴、おはよ。ねこちゃんたちもおはよ!」

ニャッ

天「ふぁああ。よく寝た。夏鈴、僕何してたんだっけ?」

夏「夏鈴もさっき起きたとこ。天、怪我とかしてない?」

天「うん。大丈夫…あ!そうだ、学校帰りに知らない人から声をかけられて、体がふわっと浮いたと思ったら眠くなって…」

夏「なるほど。それで連れ去られたんだね。」

天「連れ去られた?んー。頭、痛い。手足もなんか動かしにくい。やだ。」

夏「多分薬かがされたんだよ。夏鈴も痛い。」

天「ここ、どこかなぁ。」




天に言われて今いる部屋を見渡す。



……あれ。



天「んー!これのかない!」

夏「あぁ、天、無理やりやるともっと痛くなっちゃうよ。」

天「なんで僕達さらわれたの?」

夏「それは…」













ひ「それは、実験に参加してもらうためだよ。」


シャッー!!

一斉にねこたちが威嚇した方を見ると、ひかるがいた。





夏「…ひかる。」

天「ひかる?どういうこと?ねぇ。これ外して?」

ひ「天、ごめんね、それは出来ない。」

天「なんで!というかここはどこなの?早く3人で事務所に帰ろうよ。」

ひ「残念だけど、しばらく帰れないよ。あと、ここがどこかだって?それは、夏鈴。夏鈴はわかるよね?」

夏「…は?」


ひかるに言われ、もう一度部屋中を見回す。




ズキンッ

夏「……うっ……」

天「夏鈴?」




ズキンッ

頭が…

頭が割れるように痛い…


天「夏鈴!夏鈴!大丈夫?!」



ズキンッ





ああ。そうだ。











私はこの部屋を知っている。