banditシリーズ




夏鈴side





しばらくしてチャラチャラした感じの女性が入ってきた。


向こうは見覚えのあるって言っていたが、私には覚えがない。




「「お、お疲れ様です!!井上さん!」」




?井上。その名前はなんか聞き覚えあるな




井「うん。てかなに?わざわざ呼び出して。こいつら見つけたの誰?」


「お、俺たちです。」


井「ふーん。ちょっと。こいつら裏で何とかしといて。もう顔も見たくもない。」ガッ


「えっ、や、やめてくださいっ


「い、井上さん、勘弁して




井上は一発ずつで男2人を殴り倒した。そして井上の一言で周りにいた男たちがその2人を連れて行った。



男たちの恐怖に支配された顔を見るとこの後待っていることが容易に想像できた。





井「そもそもその場で殺ればよかったじゃん。そしたらわざわざウチが出てくることも無かったのに。てかなんで、こそ泥になんか事務所の場所バレてんの?」


「「す、すみません!!」」




残っていた、他の男たちも余りの迫力にたじろいでいた。





井「はぁまあいいや。やぁ!何年ぶりかな?」




さっきとは打って変わって、またチャラチャラした感じで近寄ってきた、井上と名乗る人は私たちの前にしゃがみこんで目を合わせてきた。




夏「あんた、誰?」



井「へ?覚えてへんの?って、ああ、あんたはあの時はまだ寝てたな。そっちのポニーテールの子天だっけ??は覚えてるよな?」


天「



井「なんや、あん時と同じく黙ってるんかい。ほらほら、病院でさ



天「あ!」



井「思い出した??よかった。また黙られてたら喋るまで痛めつけたろ思てたから、今、一言でも喋ったんは正解やで?」



そう言って井上が天の頭を撫でようとしてきた為、本能的に天を守った。



井「なんやぁ番犬みたいやなぁ()あの時は天の方が番犬してたのに()



夏「天?この人誰?」



天「前に病院で夏鈴がまだ目覚めてない時に来た










警察。」



夏「へ?警察?!」



井「おぉ、よう覚えてたなぁ!えらいえらい!」



夏「あんた。警察の分際でなに悪い奴ら率いてるん?警察は悪い奴らを捕まえてこの世を良くしていく側やろ!!どういう神経してるっカハッ」


天「夏鈴!!!!」




ひかるやほのと比べてしまい、ついカッとなってしまった。



肩に痛みが走ったと思ったら背中に衝撃が走った。気付いた時には天井が見え、その直後井上の顔が視界に入ってきて、やっと、井上に馬乗りになられてることを理解した。




井「うっさいわ。犯罪者のあんたにつべこべ言われる筋合いはない。今すぐ殺ってもええねんで?」



そう言いながら井上は私の眉間に銃を突きつけた。両手は手錠、さらには口も手で塞がれている為何も抵抗ができない。



天「や、やめてっ!!」



井「ふん。まあええわ。あんたらには聞かんとあかんことがあるから、殺るならその後や。」





そう言うと井上は私の上から離れ、周りの男たちに席を外すよう指示を出した。




天「夏鈴大丈夫?」


夏「大丈夫やで。」



このしんと鎮まった冷たい空間には私たち3人だけとなった。




井「じゃあ本題。あんたらなんで生きてんの?」


夏「



井「あん時、夏鈴と、夏鈴と関係がある思われる少女つまり天や。あんたらは死んだはずや。なのになんで生きてんねん。」


天「



井「なぁ!!!答えや!!あんたらのせいであんたらのせいで!!ひかる先輩は前線を退いた!!あれから全然会えてへんねん!!」ガッ


井上に胸ぐらを掴まれる。



“ひかる先輩”…ひかるの後輩か…。

確かにひかるから井上って名前が出たこともあったな…。



夏「それは



井「しかも挙句の果てにまた同じように盗みを繰り返してる!そのまま死んだと見せかけて、どっかでただ単に生きてるだけやったらまだしもそんなんやったらひかる先輩が浮かばれんやん。」



夏「そやで。夏鈴たちは死んだと見せかけて病院を抜け出した。夏鈴たちにだってやりたいこと、やらなあかんことがあったから



井「そのやらなあかんことってのが盗みか。」



夏「んー。まあそうなるかな。」



井「じゃあもうひとつ。最後に教えろ。あんたらのバックについてるのは誰や?」



夏「は?夏鈴らは2人で



井「とぼけんな!あんだけ警察官に囲まれた中で抜け出せるわけが無い!!」



夏「知らん。おらん。」



井「チッもうええ。じゃああんたらにももう用はない。おい。こいつら始末しといて。」





私たちが全く答える気がないと分かると、井上は男たちを呼び戻した。










ほの達に迷惑を掛ける訳にはいかない


私たちがこう生きてこられたのはひかるとほののおかげだから


あー。最後に喧嘩してバイバイになっちゃったのは嫌だったなぁ




天「夏鈴



夏「天よく頑張ったね。」



そう言って今までで一番優しい顔をして天の頭を撫でてやった。












にしても誰も来ない。



井「おい!!誰もいないのか!!」




?「ごめんな〜!呼んでるのってこいつらのこと??()倒しちゃった()