『幸せのレベル』の世界線です。
久々に書いて駄文です…すみません…。








「あぢぃ〜。」


暑いけど、この夏の匂いを運んでくる風は好きだ。


ピトッ


「うわっ!!冷たっ!え?りんごジュース!?ってあぁ、夏鈴か!!」


夏「〝夏鈴か〟じゃないですよ。まーたサボって。」


「へへっ。だって勉強めんどくさいし、教室に居たくないんだもん。」


夏「だもんって…()


「ってかなんでここが分かったの?」


夏「教室に行ってみたら姿がなくて、そしたら愛佳さんが〝てちなら屋上だよ!このクソ暑いのに馬鹿だよねぇ〟って言ってたから。」


「馬鹿だと〜!?愛佳、後で覚えとけ。それより、夏鈴こそ今授業中でしょ?こんなとこ居ていいの?」


夏「ま、まぁ。」


「もうすぐテストでしょ?大丈夫?」


夏「ま、まぁ。」


「かけ算大丈夫?()


夏「馬鹿にしないでください!!そういう平手さんこそ、受験勉強大丈夫なんですか??」


「ったく。付き合ってるのになかなか敬語が抜けないなぁ 


夏「あ


「まぁいいや。私は大丈夫だよ。第一志望A判定だし。ね、夏鈴?8×3は?」


夏「えっとにじゅういああ!もう!ってか、」


「あ、逃げた。」


夏「そういうんじゃなくて、今日は聞きたいことがあって!」


「ん?数学?」


夏「ちがうっ!平手さんと愛佳さんってどうやってなかよくなったんですか??」


「ふふっ。何?唐突に()


夏「んーなんて言うか、平手さん、見た目怖いじゃないですか?ピアス開けてて、笑わなくて、喧嘩したって噂も独り歩きして


「んー。まぁね。」


夏「付き合ってるから、そんな事ないって私は分かってるけど、あの、屋上で初めて会った日も、まぁ、正直、怖くて…()だけど、愛佳さんとはめっちゃなかよくてなんでだろうって思ったから


「んー。なるほどね。いいよ!話してあげる!私と愛佳が出会ったのは、この高校の入学式の日だったの。」






2年前



A「ねぇねぇ。あの人なんか怖そうじゃない??」


B「確かに。ピアスあいてるし、目つき悪いし


C「なんか、同じ中学校だった子が言ってたんだけどさ、よく喧嘩とかしてたらしいよ


A「え〜。この学校には不良は居ないって聞いてたのに。」




はぁ


入学式早々うるせぇなぁ


みんな見た目だけで判断して


ピアスもファッションだし。


喧嘩したんじゃなくて、同じ中学校の制服来てた子がガラの悪い人に絡まれてたから助けただけだっつーの。



?「あぁ!ここが私のクラスか!!高校生活楽しむぞ〜!!」


なんか、すごく明るい人が来た。


まあ、私には関係ないか。


?「あー!!!」


なんだよ。突然大声出して。


?「筆箱と間違えてテレビのリモコン持ってきちゃってる。」


なんだ?あいつ。1人でしゃべってる。


?「ねぇ、そこのピアスちゃん。シャーペンと消しゴム貸してくんない?今日、筆箱事忘れちゃって。」


「いやいや、初対面でピアスちゃんってなんだよ。」


?「え、いいじゃん。似合ってると思うよ!そんなことより、貸してよ。今日さっそくテストあるんでしょ?」


「あ、あぁ。うん。2個ずつ持ってるから貸せるけど


?「ほんと?ありがとう!ってか名前は?」


「あ、自分?平手。平手友梨奈。」


?「ふーん。平手平手ちゃんてち!よし、てちで!うん。我ながらいい名前だ。」


「いやいや、勝手に名前付けないでよ。てちってなんだよ。」


?「え、いいじゃん。てちっぽいし()


「はぁ。調子狂うな。ってかあんたは?名前なんて言うの?」


?「私は愛佳。志田愛佳。よろしくね、ピアスちゃん!」


「いや、さっき付けた名前どこいったんだよ。」


愛「うそうそ()てち、今日一緒に帰らない??」


「え、まぁ、いいけど。」


愛「ん!じゃあ決まりね!てち、シャーペンありがと!!」



B「なんか、あの子すごくない?」


C「ちょっと、あの2人とは距離おこう









「って感じ。()


夏「なんか、想像以上に衝撃的な出会いですね。」


「でしょ?でも変なやつって思ってたら頭は良いし、友達想いで、クラスのみんなともまぁそれなりに打ち解けたね。私はなんか悪い噂立ったけど()


夏「そうなんですね。」


「その後も色々あったんだけど、愛佳は私を支えてくれたんだ。いいやつだよ。」


夏「色々


愛「やっほー!!もう昼休みになったよー!!」


「うわっ。暑さがより暑くなる。」


愛「ご飯食べよーよ!夏鈴も!!」


夏「あ、私は今日は約束してて


「え、友達できたの?」


夏「あ、はい。同じアイドルグループが好きな子と仲良くなったんです!」


愛「まあもう7月だしね!そっか!楽しんで!よし、てち!食べよー!」


「あ、愛佳、さっき私の事馬鹿って言ったらしいな。罰としてパン買ってきて。」


愛「えー。夏鈴チクったなぁー!」


夏「馬鹿って言った愛佳さんが悪いんですよ()





愛佳と出会ってもう3年目。


高校生活最後の夏がやってくる。