平手side
「…っつ…!!!」
愛「ごめん、当たっちゃった!大丈夫?」
「大丈夫大丈夫。傷に当たったら痛いけど痛み止めのおかげでまし。」
身体の傷をスタッフさんに見られないように、着替えは愛佳だけに手伝って貰うことになった。
私が心身が不安定だと思っているゆっかーがスタッフさんたちに説明してくれたみたいだった。
「ゆっかー私が避雷針に出たいって知ってたんだね。」
愛「うん。理佐にひらが避雷針に出たいって言ってるってことを伝えといたから。また理佐にもお礼言っといてね。てか流石キャプテンだよねぇ〜さらっと違和感なく、ひらがでるタイミングをみんなに伝えて…」
「うん。ありがたいし、やっぱゆっかーすごい!」
愛「さすがチャプチェ(笑)よし!着替え終わり!たしかにこの衣装だと傷や痣が上手く隠れるね。」
「そう。しかも左肩から腰にかけて若干固定されてる感じで安心できるよ。避雷針は最後の方フード被るしね。ねぇ…愛佳…」
愛「ん?どした?」
「愛佳にキャッチしてもらう避雷針も好きだよ。もう叶わないけど…今、ギュってしてくれる?」
愛「…私も好きだよ!おいで!!」
そういって愛佳は優しく抱きしめてくれた。愛佳にキャッチしてもらうのは、理佐にキャッチしてもらうのとはまた違った心地良さを思い出した。
バタバタバタ…
ス「平手さん、次オトシンです!その後メンバー戻ってきて着替えて避雷針になるのでスタンバイお願いします!」
「はい!」
愛「ん!じゃあ準備しときますか!そばにいるから安心してね。」
「うん。愛佳ありがとう。」
天side
オトシンが終わり衣装を着替える。2期生は出るメンバーも出ないメンバーも着替える。全員で戦ってるんだ。みんなでパフォーマンスする。
平手さんはもう着替えていて愛佳さんのそばにいた。
その目は虚ろで少し心配だった。
着替えが終わったメンバーが続々とステージに上がるための階段のそばに集まる。
1期生さんみんなは準備ができると平手さんのそばに行き、ぽんぽんっと頭を叩いたり腰をさすったりして励ましていた。
直前になると平手さんのそばには由依さんと保乃がいた。
て「こば…」
由「ん?どうした?平手」
て「…絶対…勝つ…負けない…」
平手さんは由依さんと向き合ってそう呟いていた。
由依さんはうんうんと黙って頷きながら背中をさすっていた。近くにいた保乃と3人で抱き合い、下を向いふぅとひと息はいて顔を上げた平手さんの目にはいつもの鋭さが蘇りスイッチが入っていた。
理「天ちゃん。もう本当に大丈夫だよ。見た?あのてちの目。てちはもしかしたら無理をしてるかもしれない。でもあの目になったら絶対にやりきる。それでもし倒れそうになっても私たちが支えればいい。てちはひとりじゃないでしょ?」
「…はい!!私も出来ることをして支えます!!」
ス「電光掲示板の文字流しま〜す!スタンバイしてください!!!」
友「よし!みんな!いくよ!」
茜「ラス2!欅らしさ見せるぞ〜!!」
そう言ってステージに上がっていく平手さんを始めメンバーのみんなの背中はとても大きくたくましく見えた。