side




ふぅもうお昼か。



あれからホールで実際にリハをした。1期生さんたちはそれぞれがセンターを務める楽曲のダンスを完璧に踊っていてかっこよかった。


2期生の私たちは全楽曲には参加出来ないけど、自分の役割をしっかり果たそうと休憩中もアドバイスし合ったり先輩の姿をしっかりと見て学んだ。






保「天ちゃん〜おつかれ〜!疲れたなぁ!保乃もうお腹ペコペコやわぁ!」



「そうだね。ケータリング見に行く?」



あまりお腹は空いていなかったが保乃に声をかけてもらったから一緒に行こうとしたその時



理「保乃!天ちゃん!ちょっと



理佐さんと由依さんが真剣な顔をして声をかけてきた。










まさか平手さんに何かあった








ドキドキしながら4人で空いてる部屋に向かった。









理「ごめんね急に。今、愛佳から電話かけていい?って連絡がきたの。ちょっと1人は怖くて出るよ?」



由「うん。保乃、天ちゃん、大丈夫?」



「はい。お願いします。」









プルルルプルルル









愛「もしもし?理佐?今大丈夫だった?」




理佐さんはスピーカーにしてみんなが聞けるようにしてくれた。






理「うん。ちょうどお昼休憩だったからそれよりてちは!?」






愛「ふふっ。安心して!





      






        約束通り助け出したよ!」











愛佳さんのその一言を聞いて私達4人の顔がみるみるうちに明るくなる。









「「やったぁ!!!!!」」










そのまま私たちは嬉し涙を流しながら抱き合った。





愛「もしも〜し!聞いてる?」



理「グスッごめんごめん。嬉しくって



「愛佳さんありがとうございます



由「平手の状態は?」



保「友梨奈ちゃんの声が聞きたいです!」



愛「あ〜ごめん、それは出来ない。今私運転中でひらはいや、この可愛いばぶちゃんは隣でスヤスヤ寝てるから()まあ状態でいえば画面越しに見てた以上にボロボロだね全身痣だらけだし、歩くこともままならなかった。それに視覚聴覚を奪われてたせいで、本人は隠してるつもりだと思うけど、だいぶメンタル的にも来てると思う。」



愛佳さんの話を聞いて、平手さんのことを思うと、改めて犯人達への怒りの感情が湧き上がってきた。



理「そっか愛佳ありがとね。で、今から病院?そんなボロボロだと今日のライブは無理だろうし



愛「いやぁ〜それが



由「え?まさか来る気?」



愛「そうなのよひらにお願いされて理佐とこばは知ってるでしょ?1度言い出したら聞かないこと。」



理「そうだけど愛佳的に厳しいんでしょ?」



愛「うん。だから、無理はしないことと今から病院で点滴してから行くことを約束に許可した。だから無理させないように私もバックステージにいさせて欲しい。うまいこと頼める?」



由「うん。分かった。事情話したら大丈夫だと思う。」



愛「あ、待って待って、その事なんだけど、ひらからもうひとつお願いされたの。」



「お願いですか?」



愛「そう。今回のことは誰にももちろん警察やメンバーにも言わないでくれって。」





「え?」





保「この1件黙ってろって言うんですか?友梨奈ちゃんあんなに酷いことされたのに!?」



愛「うん。私も正直困惑した。けどひらに言われたの。〝欅坂は今坂を登ってる途中だから。2期生も入って新しい風が吹いて、1期生の皆も成長してる。そんな時にこんな事があったなんて報道されたらまたみんなに迷惑かける。またみんなから離れないといけないかもしれない。それだけは嫌。私は大丈夫だから。いつだって私はそばに立って、みんなを守るんだ。〟って。」



由「そっか。平手らしいね。2つ目のおねがいだけじゃなくて、1つ目のこのまま来るってのも根っこにある理由は〝欅坂を守りたい〟ってことでしょ?」



愛「うん。その思いが強いことは私が欅にいる間もひしひしと感じてたから、ダメって言えなかったごめんね。」



理「ううん。私がその場にいても同じ判断したと思うよ。愛佳、本当に助けてくれてありがとう!これからの事は上手く誤魔化しながらゆっかーとスタッフさんとマネージャーさんに言っておくから!」



愛「理佐ありがとう。」



天・保「愛佳さん、平手さん(友梨奈ちゃん)を助けてくださってありがとうございました!」



愛「どういたしまして!リハおつかれ!本番も楽しみにしてるよ!じゃあ病院行ってくる!また何時くらいになりそうかは連絡するね!」ピッ















電話が切れたあと、私達4人は無言で抱き合った。






理「よし!お昼食べよう!てちも戻ってくることだし!行くよ!」





「「はい!」」





今までのどんよりとした気持ちが晴れ私達は軽い足取りでケータリングに向かった。