。+°:*.氷花.*:°+。 -HiKa- -25ページ目

。+°:*.氷花.*:°+。 -HiKa-

あなたにどうか、
とどいてほしい、
わたしのこころ。


仕事場で「こうしてくれなきゃ困るよ」と せんぱいに言われたり
だって 上司に 言われたとおり 承認がおりたから その書類がとおったのに

てがみを したためたのに ぜんぜん 返事がかえってこなかったり
わたしも 書く時期を逸したのは たしかだけれど…


ひゅう、と こころに あながあく
こころのすきまに、風が吹きぬけてく


でも

わたしはがんばっている だれもしらなくても
わたしはがんばっている

ならば
どんなに きつい おもいしても

自分を 胸はって 誇ること できる
できる だから
そうしよう

わたしからの「だいすき」を背おったまま、あのひとは去ってしまった

だけど

あの日なぐさめてくれたこと
こころの底から心配してくれたこと

もらったシフォンケーキの味
誕生日のスワロフスキー

一瞬一瞬を よろこんで はしゃいでた
一瞬一瞬に 感謝し 祈りをささげてた

こわれてしまっても
あのひとがわたしから去ってしまっても

その「一瞬」は、消えやしない どこにも 行きやしない

そのときどきの きらきらは わたしのなかで生きている
このこころの奥底に ふかく根づいている

ひさしぶりに さくらを観に 井の頭公園に行った
朝の5時起き ねむかったけど
会社に行くのとはちがう わくわくする めざめだった

駅で降りて まだ時間がはやいから 通るのはサラリーマンやOLばかり
ひとりカメラを持って さくらをながめる

きれいだな…


この世って、なんてきれいなんだろう

なんて、うつくしさに満ち満ちあふれてるんだろう


枝葉のそこかしこが そこからあふれる花びらが 愛をささやいている

愛を ささやいている

「あなたのために わたしせいいっぱい 咲いているの」と…

あなたのために。あなたたちのために。この世に生きている、すべてのひとたちのために


さくらはいっしょうけんめい、愛をささやく
せいいっぱいの愛を 花びらいちまいいちまいにこめる

そのささやき わすれたくないから
一瞬間 一瞬間を 写真におさめてゆく

さくらがささやいたように
わたしは だれかに なにかに 愛をささやいただろうか 愛をつたえただろうか


さくらはささやく まいとしまいとし 変わらず くりかえし 愛を

赤おにくんは、はじめて喪ったもののたいせつさをしったんだね
だから、いつまでも、しくしく、しくしく、泣いていたんだね


だけど青おにくんは、ちっともさみしくないとおもうのは、わたしの気のせいだろうか
すがすがしく旅立っていったんじゃないのかとおもうのは、気のせいだろうか

「ドコマデモキミノトモダチ アオオニ」

そう書きのこして去っていった青おにくん

逢わなくたって逢えなくたって
友情にはなんにも変わりはないもの

ずっと逢わなくたって逢えなくたって
相手を想っていれば、こころのなかで
いつでも逢える

「誰かの役に立つのは、ほんとにうれしい」
そうおもい、青おにくんはとおいところにいった

青おにくんのことを、わたしはそうかんがえている
空をみつめながらいつも、赤おにくんのことをこころに思いうかべていると、かんがえている

こつこつ、ひびく パンプスの音がすきだった
かつかつ、ひびく パンプスの音にあこがれた

母のパンプスをこっそりとりだし、ちいさな足ではき
かかとだけ こつこつ 鳴らしていた

おとなにあこがれてた

すきな服買って
すきな靴をえらぶ

おこづかいさえもらえない時分なのに
かぞえられないくらい お金持っている

だけど

あのころのわたしと いまのわたし
どちらがどのくらい かがやいているだろう

夢をもっていたわたしと 現実に疲れているわたし
どちらが どのくらい。…

わたしの足あと

あのころえがいたものと、どんなにちがう

わたしの足あと
こんなはずじゃない
もっと 自分に納得させてみせる
みせたい

数年まえ
蒼穹がかぎりなくひろがった春まだあさき日

制服に身をつつんだ高校生が、卒業式があったのだろう、それぞれ花束もって交差点でまちあわせしていた

くすくす笑い、寄りそいあうたび 花束があつまりあい 花束が束になり
まるで花畑のようにきれいな円になっていた

まるで彼女たちのようだった


とても きらきらしていた


あのきらきら
わすれないで

あのきらきら
哀しみにこころつつまれたとき
おもいだして

ねむれない夜は
孤独をさわっている

ねむれない夜は
孤独を擁きしめている


こんな夜をだれかもかんじているのだろうかとおもいをはせる


ねむれない夜は
ミルクをあたためる

ねむれない夜は
ひえたこころをミルクであたためる

生まれかわったら
わたし草になりたい

次に生まれかわったら
葦のように繊細な草になりたい


そよ風にもふー、とたなびくような


晴れの日は青空ながめて
くもりの日は雲ながめ
雨の日は
みずみずしいしずく こころいっぱいだきしめる

ふんずけられたら
すこし しなって
抜かれたら
枯れる

そんな草に
わたしなりたい


こころに
つめたい花を 抱いている
こおりのように つめたい花を

さむくて さむくて
はやく溶かしてしまいたい
けれど
がらすのように繊細なその花が
なんだか いとしくて

この花は いつか溶けるのだろうか
この手のなかで ほどけてゆくのだろうか

けれどそのときがきたら
あたたかく あざやかな花に生まれかわれ
繊細さをたもちつつも ちからづよさを内包した
うつくしき 花になれ