こころの風穴仕事場で「こうしてくれなきゃ困るよ」と せんぱいに言われたりだって 上司に 言われたとおり 承認がおりたから その書類がとおったのにてがみを したためたのに ぜんぜん 返事がかえってこなかったりわたしも 書く時期を逸したのは たしかだけれど…ひゅう、と こころに あながあくこころのすきまに、風が吹きぬけてくでもわたしはがんばっている だれもしらなくてもわたしはがんばっているならばどんなに きつい おもいしても自分を 胸はって 誇ること できるできる だからそうしよう
一瞬のきらめきわたしからの「だいすき」を背おったまま、あのひとは去ってしまっただけどあの日なぐさめてくれたことこころの底から心配してくれたこともらったシフォンケーキの味誕生日のスワロフスキー一瞬一瞬を よろこんで はしゃいでた一瞬一瞬に 感謝し 祈りをささげてたこわれてしまってもあのひとがわたしから去ってしまってもその「一瞬」は、消えやしない どこにも 行きやしないそのときどきの きらきらは わたしのなかで生きているこのこころの奥底に ふかく根づいている
愛をささやくひさしぶりに さくらを観に 井の頭公園に行った朝の5時起き ねむかったけど会社に行くのとはちがう わくわくする めざめだった駅で降りて まだ時間がはやいから 通るのはサラリーマンやOLばかりひとりカメラを持って さくらをながめるきれいだな…この世って、なんてきれいなんだろうなんて、うつくしさに満ち満ちあふれてるんだろう枝葉のそこかしこが そこからあふれる花びらが 愛をささやいている愛を ささやいている「あなたのために わたしせいいっぱい 咲いているの」と…あなたのために。あなたたちのために。この世に生きている、すべてのひとたちのためにさくらはいっしょうけんめい、愛をささやくせいいっぱいの愛を 花びらいちまいいちまいにこめるそのささやき わすれたくないから一瞬間 一瞬間を 写真におさめてゆくさくらがささやいたようにわたしは だれかに なにかに 愛をささやいただろうか 愛をつたえただろうかさくらはささやく まいとしまいとし 変わらず くりかえし 愛を
泣いたあかおに赤おにくんは、はじめて喪ったもののたいせつさをしったんだねだから、いつまでも、しくしく、しくしく、泣いていたんだねだけど青おにくんは、ちっともさみしくないとおもうのは、わたしの気のせいだろうかすがすがしく旅立っていったんじゃないのかとおもうのは、気のせいだろうか「ドコマデモキミノトモダチ アオオニ」そう書きのこして去っていった青おにくん逢わなくたって逢えなくたって友情にはなんにも変わりはないものずっと逢わなくたって逢えなくたって相手を想っていれば、こころのなかでいつでも逢える「誰かの役に立つのは、ほんとにうれしい」そうおもい、青おにくんはとおいところにいった青おにくんのことを、わたしはそうかんがえている空をみつめながらいつも、赤おにくんのことをこころに思いうかべていると、かんがえている
わたしの足あとこつこつ、ひびく パンプスの音がすきだったかつかつ、ひびく パンプスの音にあこがれた母のパンプスをこっそりとりだし、ちいさな足ではきかかとだけ こつこつ 鳴らしていたおとなにあこがれてたすきな服買ってすきな靴をえらぶおこづかいさえもらえない時分なのにかぞえられないくらい お金持っているだけどあのころのわたしと いまのわたしどちらがどのくらい かがやいているだろう夢をもっていたわたしと 現実に疲れているわたしどちらが どのくらい。…わたしの足あとあのころえがいたものと、どんなにちがうわたしの足あとこんなはずじゃないもっと 自分に納得させてみせるみせたい
まぶしい少女数年まえ蒼穹がかぎりなくひろがった春まだあさき日制服に身をつつんだ高校生が、卒業式があったのだろう、それぞれ花束もって交差点でまちあわせしていたくすくす笑い、寄りそいあうたび 花束があつまりあい 花束が束になりまるで花畑のようにきれいな円になっていたまるで彼女たちのようだったとても きらきらしていたあのきらきらわすれないであのきらきら哀しみにこころつつまれたときおもいだして
ねむれない夜ねむれない夜は孤独をさわっているねむれない夜は孤独を擁きしめているこんな夜をだれかもかんじているのだろうかとおもいをはせるねむれない夜はミルクをあたためるねむれない夜はひえたこころをミルクであたためる
いちずなねがい生まれかわったらわたし草になりたい次に生まれかわったら葦のように繊細な草になりたいそよ風にもふー、とたなびくような晴れの日は青空ながめてくもりの日は雲ながめ雨の日はみずみずしいしずく こころいっぱいだきしめるふんずけられたらすこし しなって抜かれたら枯れるそんな草にわたしなりたい
つめたい花こころにつめたい花を 抱いているこおりのように つめたい花をさむくて さむくてはやく溶かしてしまいたいけれどがらすのように繊細なその花がなんだか いとしくてこの花は いつか溶けるのだろうかこの手のなかで ほどけてゆくのだろうかけれどそのときがきたらあたたかく あざやかな花に生まれかわれ繊細さをたもちつつも ちからづよさを内包したうつくしき 花になれ