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「偶然だが、それから暫くして、そいつらがみな死んだ、というニュースが、新聞に出た」
「偶然ねぇ」医者はそういうと、軽く笑った。
その時、病室のテレビには、ある国内テロ組織が警察の摘発にあっている映像が映っていた。ある種の反政府組織であり、政府、そして国民に対し、定期的に無差別テロを行う。そして、世界中の政府からテロ組織指定を受けている組織だ。組織名は「O」という事にしておこう。
それを見て、元諜報員が医者に訊く。「彼等は、君らとは敵対関係にある組織だが」
「ああ」医者が答える。「思想的な違いから政府が弾圧してきた。その所為で、政府への憎しみを増大させていき、途中からは暴力を用いるようになっていったー」
「過激派と「右翼」「左翼」の違いを簡単に定義づけると、「暴力を運動の際に用いるか否か」だ。暴力を用いる組織は、過激派指定を受ける」
「ああーその一線を越えれば、過激派、テロリスト呼ばわりされる」
「いくら、挑発されても、その一線を越えてはならない。運動の基本だ」
医者が怪訝そうな目をして、元諜報員を一瞥すると、ゆっくり、訊いた「ーなんとなく、そういう輩が暴走するように、裏で政府が操っているといいたげな口吻だがー」
「ーそうだろう? 私相手に下らない嘘はよせ。何処の国だろうが、そういう下劣で反吐がでるような事をしてる。自分たちにとって困る存在を相手には分からないように挑発し、暴走させ、
そして、そうした人間達が、暴走し犯罪を犯せば、「犯罪者」の烙印を押し、滅ぼすーそういう事も、なくさねばならん」
「君の活動には、そうした不正をただす事も含まれていたんだったな」
「ああ、だから、政府にも狙われた」
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テロ組織「O」のメンバーが出動の準備をしている。
「最近は、警察の摘発が厳しい。理念なき活動をしているものらなら、厳しい弾圧で萎えるだろうが、理念を持つ者が、一番萎えない。潰すのが難しい。
単に金目当ての奴、女目当ての奴、そんな野郎共は、簡単に潰せるだろう。
例えば、そいつらの目的は単に「金」「女」だ。ならば、組織がそいつらに「金」「女」を与えられなくなれば、
それだけでメンバーは脱退してゆくだろう。
しかし、崇高な理念を持つ人間は、潰せない。
我々が求めるのは、物質的で卑賤なものではない。
我々が求めているのは、政府の連中が、我々にそれを与えることも出来ず、又、我々から奪うことも出来ないものだ。
我々が望んでいるのは、それのみ。その理想の実現のみ、それだけを求めている。
譲歩はない。
理想が実現できないならば、死を選ぶのみ」
「はいー」他のメンバーが決然とした目で、そのリーダーと思しき男の話を聞いている。「次の標的は、**病院」
メンバーの1人が訊く。「あそこには、**国から亡命した元諜報員が入院している筈ですが、その病院ですか?」
「そうだ」リーダーが答える。「奴の仕事は「組織犯罪」の撲滅だった。我々も政府から、世界中から、めでたくも犯罪者の烙印を貼られる存在だ。奴は、その功績を認められ、我が国への亡命が許されている。
組織犯罪撲滅に関して、優秀な諜報員であり、工作員だという事だ。
奴をうちの国の諜報機関が、雇うという話も出ている。(実際、ロシアからイギリスに亡命した、リトビネンコは、MI6(イギリスのスパイ組織。正式名称「SIS」に雇われていた)
そうなれば、奴は我々に対しても、工作行為を仕掛けてくるだろう。
いずれにしても、早い内に、我々の脅威になりそうな存在は、潰すー」
「はい」メンバーが肯く。
決行日は、*月**日。
それを訊き、メンバー全員が声もなく、肯いた。
つづく。
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文筆家としての略歴。
1980年代後半(10代の頃から)文筆業、思索作業を開始。
小説を書き始め3年後(1990年ー湾岸戦争時)「これが何に見えますか?」という作品を講談社、群像(文芸誌、村上龍、村上春樹等を輩出した文芸誌)に投稿。
それ以来、様々な事が「本格的に」色々動き始める・・・・・
以来、文筆業、思索作業を継続し、今に至る。
最も最近、文芸誌の新人賞に応募したのは2014年末。「出版界、のインチキ状況かわったかなぁ? 」と、状況を見る事も兼ね、応募。
応募媒体は河出書房「文藝」(綿谷りさちゃんが受賞した新人賞)

応募作は↑題名「コミューン」

(近所の郵便局から、2014年12月24日、応募、その証拠)




(自作、作品群)
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アクセス、総合順位、記録(おかしな点はありませんか?)
7月4日(月)アクセス 308 総合順位 10万1137位


7月3日(日)アクセス 252 総合順位 12万2889位


7月2日(土)アクセス 305 総合順位 11万0156位


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