十年前。
「ただいま。美雪っ、お土産だぞ!」
その声に、美雪が玄関まで走ると、
大きな箱を持ったお父さんが立っていた。
会社の帰りのに、クリスマスケーキを買ってきてくれたのだった。
これで、準備は整った。
テーブルには既に、お母さんの手料理が、ところ狭しと並んでいる。
家族三人のクリスマスパーティー。
歌を歌ったり、美味しいケーキや料理を食べたり。
それに今日だけは、ジュースもいつもよりたくさん飲めた。
美雪は、とてもとても楽しかった。
「ほら、美雪! 雪だるまだぁ!!」
食事が一通り終えると、
お父さんがベランダに積もった雪で、
雪だるまを作ってくれました。
石の目と、枝の口で作られた雪だるま。
それでいて、手の平に乗る、かわいらしい小さな雪だるま。
美雪はとても気に入って、部屋に入れようとした。
「ダメよ、美雪!部屋に入れちゃだめよ。」
お母さんが、それを優しく注意した。
(でも、ベランダにおいていたら寒いのに……)
そう思った美雪は、お母さんの目を盗んで、
そっと雪だるまを部屋の中にいれた。
これで、一安心!
後は、サンタのおじさんがプレゼントを持ってきてくれるだけ。
美雪は、床についた。
もちろん、雪だるまを枕元に置いて……。
美雪は、今日があまりに素敵なクリスマスだったので、
雪だるまにそのことを自慢しようと、
うつぶせに寝返り、雪だるまと顔をあわせた。
「今日はとってもステキな日だったのよ……」
美雪は、しばらく話すことに没頭した。
そして、ふと雪だるまを見た。
「ぎゃあああああっ……
雪だるまが化けたぁ~!!!」
いや、融けたのだ!

