これは私が通学に使用している電車の中で、
実際に起こった不思議な出来事です。


まだまだ残暑の厳しい九月の初旬。
講義が昼からだった事もあり、
大学に向かう電車の中は空いていました。

と、斜め前に座っていた、
きっと私と同じ大学の学生らしい男の子のスマホが鳴りました。
私を含め数人の乗客が、一斉にその男の子を見ました。


「おーっ!昨日はお疲れさん……いや、大学に向かってるよ。
今日の講義、単位は絶対におとせないからな!」



男の子は、まるで自分の家にでも
いる様な感じで、大きな声で話始めました。
乗客の視線は、一気に軽蔑のまなざしに変わりました。

そんな事も知ってか知らずか、
男の子はどうでもいい様な話を大声で続けます。
私はどうもその態度が気に食わなくなってきました。

生理中な事も手伝って、イライラしてきたのです。
私は断固抗議してやろうと、
席を立ち、その男の子の前に仁王立ちになりました。

「車中での電話は、大変迷惑ですよ!」

男の子は、私をチラッと見ただけで、態度を改めませんでした。
そして、私が更に抗議してやろうと思った時でした。

ガタンッ!

電車が大きく揺れたのでした。

「キャッ!!」

足がふらついた私は、とっさに吊り革に掴まりました。
その時です!
なんと、男の子が私を見た状態のまま
会話を止めてしまったのです。

男の子は金縛りにでもなった様に、ピクリともしません。
そして、我にかえったのか、私と目が合うとスマホを直し、
なぜか前屈みでそそくさと隣りの車両に移ったのでした。

 

 

 

 

 

 

一体、あの男の子に
なにがあったのでしょう……???
私には、なにやら
目に見えない力があるのかもしれません。