その廃屋には、やはりと言うべき噂があった。
もう随分と昔から存在する廃屋。
巷では、「幽霊屋敷」と呼ばれている。

僕は、確か五年前だった、
深夜に数人のダチと車二台で訪問した。
でも僕は少し後悔していた。
こういう場所に、遊び半分で訪れるのはよくない、
って有名超能力者が語っていたのをテレビで見た事があるからだ。
しかし、僕たちは廃屋に挑んだ。

玄関は開いていた。
入ると、カビ特有の臭いが
鼻をつくと思ったが……良い匂いがした。
同時に奇妙な事に気付いた。

落書きも無ければ、窓ガラスは一枚も割れていない。
家具も壊れておらず、本や食器も散乱する事なく、
所定の位置に綺麗に収まっている。
決定的なのは、誰かの悪戯だろうけど、
その年のカレンダーが壁にあり、月も間違っていなかったのだ。

「誰か住んでるのか?」

ダチの一人がそう呟いた。
そのせいで一気に恐怖感が倍増した。

「ここ本物だ。やばい、もう帰ろう!」

違うダチが言った。
その言葉を待ってましたとばかりに、僕らは玄関へとむかった。
しかし、時既に遅しだった。
玄関のドアが開かない。
鍵はかかっていないのに、だ。
すると、バキーンと家中に響き渡る程のラップ音が鳴った。
僕らは知らず知らずに震えながら抱き合っていた。

「あれはなんだ!?」

と、さっきのダチが叫んだ。そいつが指差したのは、部屋の一番奥。
見れば青白い光が、こちらに近付いて来ている。
最初は丸い、いうならば火の玉だっだ。
ところが、それは僕らに近付く度に形を変え、
ついには人間の、それも若い女性の姿に変わった。

「は、裸だっ!」


これは全員で同時に叫んだ。
抱き合っていた僕たちは
条件反射とでも言うのだろうか、
見事に勃ち合っていた。

包茎も、ズルムケもお構いなしだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

それに僕らは右手を、いやダチのひとりは
左利きだから左手を、
シンボルちゃんに優しくそえた。
そして、激しく……「ああっ!」


全員で果てた。
そしてそれは過去のいかなる手淫よりも
気持ち良かったのか、僕たちはそのまま気を失った。

気が付くと朝日の光が玄関のすりガラスから差し込んでいた。
僕らは次々に目をさました。
そして、垂れ流しにしていたモノをそれぞれが無言で処理をした。
僕たちが集まって、あれだけ静かな時間は初めてだった。
と、僕はある事に気付いた。

「オイ、見てみろよ」

皆に言った。
部屋の中が、散乱しているのだ。
落書きはもちろん、ガラスは割れ、
家具は壊れ、本や食器は散乱していたのだ。
そして、更に驚いた事には、僕らのいる場所の周りには、
沢山の丸めたティッシュが転がっていた事だった。