私はとあるオカルト雑誌の依頼で、超能力者を取材する事になった。
彼は、スプーンを曲げたり、念写を得意としている。
失礼だが、私は「超能力」には否定的だった。
出版社が用意した、とあるホテルの一室に私は超能力者と対面した。
まずは挨拶代わりにと、彼は私の持参したスプーンを念力で曲げた。
勿論、それを鵜呑みにする事は出来ない。
なぜなら、スプーンを曲げはマジシャンも簡単に行うし、
力があれば手でも簡単に曲げる事が出来るからだ。
それに、スプーンには曲げやすいツボがあるのかもしれない。
すると、そんな半信半疑な私を察したのか、
彼は「もっと硬い物を曲げましょう。」と言ってきた。
しかし、そう言われてもスプーン以外は何も用意していない。
ホテルの備品を曲げるワケにもいかないし……。
と、ポケットに家の鍵がある事に気がついた。
これはスプーンよりはるかに硬い。
それに、力で曲げようにも、小さくて持ちにくい。
私は鍵を彼に渡した。
すると彼は、鍵を手に持たず、テーブルの上に置いた。
そして、鍵を見つめた。
するとどうだろう、
鍵が少しずつ曲がり始めたではないかっ!?
「こ、これが、ほ、本物の超能力なんだ!?」
私は、その鍵の曲がる様と、彼の真剣な眼差しをフィルムに焼き付けた。
帰り際。
私は、彼と固い握手をした。
超能力は存在する。
私は満足して帰路に付いた。
そして、彼の超能力の素晴らしさを再び体感したのだっ!
「クソ~!この鍵じゃ、
家に入れないじゃないかァ~!!」

