女性なら一度は憧れるかもしれない職業。
看護師。
私も、小さい頃の夢にそんな事を語った記憶がある。
いや、中学時代まではそんな夢を抱いていた。
でも、高校生になって成績が悪かった事もあり……
なんとなく諦めたんだっけ。
それが、三十路に突入して再びやってみたいと思うようになった。
ドラマだった。
美月有紀と末下亜里抄の「お仕事がナース」。
この再放送を見た時、「私、やっぱりナースになりたい!」と閃いたのだ。
私は今現在独身(バツイチ)だし、
子供もいないし一応正社員として某会社に勤めているけど、
たくさんいる中の1人だから突然辞めても何も迷惑はかからない。
会社には即日辞表を提出した。
よし、正看護師を目指して三年間専門学校へ行くぞ!!!
で、紆余曲折を経て私はなんとか看護師になった。
38歳の新人看護師誕生だ。
頑張ったかいがありました。
でも、問題があったのよね。
何故、看護師になってからそれに気づいたんだろ。
私……私ね、幽霊とかそういうの大っ嫌いなの。
いや、嫌いというより苦手なの、怖いのよ。
病院って……そういうのと隣り合わせの空間じゃない。
ね、ね、どうする?
誰もいない筈の病室からナースコールなんて鳴ったら!!!
夜の巡回の時に、青白い老婆が階段の踊り場にいたら!!!
霊安室の扉が内側からドンドン叩かれたら!!!
ストレッチャーがひとりでに動いたら!!!
院内を死神が彷徨っていたら!!!
こ、こんな事が現実におこったら、
バイタルチェックどころじゃないわっ!!!!!
……でも、でもよ、独身の先生と恋におちて
玉の輿になるポシビリティーも無きにしも非ずよね。
「あ~悩むわぁ。女の性よねぇ……。」
そこで私はふと思い出した。
とある病院での恐怖体験を……。
昔どこかでたまたま読んでしまったブログ。
嗚呼、そんな現象がもし、我が身に降りかかったら???
私は、もう無理だ。
看護師としてやっていけない。
だってあんな恐怖を味わいたくない。
あんなの体験したら……
ううん、思い出しただけで全身が粟立ってしまう。
確か、亡くなった筈の患者さんが出てくるんだ。
そして、苦しそうに呟くんだっけ……
「薬をください」って!!!
私は、なったばかりの看護師を辞めた。

