俺の名は柚木康平。
フリーのミステリーライターだ。
あらゆるオカルト、ミステリーを追って日本中を駆け巡っている。 
そんな俺が今回つかんだネタは
ミステリーサークルが出現したと言うものだった。

 

 

 

 

ミステリーサークルが出たっていうのはよくあるネタじゃないかって?
素人はこれだから困る。
これまでの統計によるとサークルは短期間の間、
距離も割合と近くに複数作られるケースがほとんどだ。

そして今回つかんだのはサークルを一つ発見したというものだった。
つまり、これから多発する可能性が大きいということなのだ。
そう……俺は二つ目が作られる現場を激写してやろうと思っているのだ!

そして俺は今、某県某村の田園の中にいる。
一つ目のサークルが作られてから四日が経過している。
俺はその間、麦畑の脇にテントを作って監視を続けてきた。
そして今晩いよいよ何かがくるはずだ。
ライターとしての俺の勘がそう言っている。
そう思った次の瞬間!
麦畑に人影が現れた!
いや、人間じゃない……緑色に輝く体、グ、グレイだ!

「宇宙人って本当にいたんだ……」

思わず言葉が出てしまう。
彼らは全員で五人。
これからサークルを作るのだろう。
この俺がその現場を始めて目撃する人間になるのだ。
俺が息を潜めて注視している中、彼らは動き始めた!
全員が麦畑に出ると……
なんと彼らは麦畑を紐の付いた板で踏みならし始めた!

 

 

 

 

「そ、そんな、これじゃあ……
人間が作ってんのと

変わんねえじゃねえか~!」


オカルトハンター柚木康平シリーズより