「蛇足」という言葉がある。
無用の長物。
そう、付け足す必要がないことである。
「蛇」には、ご承知の様に「足」が無い。
「足」のある我々人間からすれば、不便な気もするが、
彼らは問題なく生きているし、これからも生きていける。
必要が無いのだ。
「蛇足」とは、まさにこの事なのである。
さて、周囲を見渡してもらいたい。
物質的に充実した今の世の中には、
その様な付け足す必要の無いものが溢れていないだろうか?
しかし、一見不必要に見えるものが、
実は必要不可欠だったりするものも存在する。
そこを履き違えてはならない。
その判断をする力の無き者は、
生き残れない事態におちいる可能性が高いからだ。
今回は、そんなエピソードを紹介してみたいと思う。
(制作集団 真美漢 代表:真美漢)
どうもみんな、元気かい?
俺は、地球の平和を守る超科学合体ロボ・グローリーXの
3号機パイロット・カザマツリ リョウだ!
地球の侵略を企むバッド・エンペラーから地球の平和を守っている!!
今、バッド・エンペラーのロボット・ブラックスコーピオンと戦闘中だ!!!
「よし、みんな合体だ!!!」
リーダーで1号機パイロット・テンドウ ショウジが合体の号令を出した。
まず1号機と2号機が合体して、最後に俺の3号機が合体する。
だから俺たちは、この号令に従い、
1号機、2号機、3号機と一列に並ぶ。
ショウジの1号機は頭部、紅一点 フブキ アスカの操縦する2号機は腕と胸部、
そして3号機は腹部~足、ってなワケだ。
しかし、だ。
正直、この配置に俺は納得していない。
俺のパイロットとしての腕は、こう言っちゃあなんだが、
ショウジやアスカよりレベルが高い。
パイロット養成所では、トップだったしな。
ところが、だ。
このグローリーXの開発者・テンドウ博士の孫なんだよ、ショウジって。
だから一番目立つ1号機のパイロット、そしてリーダーに選ばれたんだ。
どんだけ養成所で優秀な成績であっても、
血縁関係には勝てないんだな……ま、普通の会社でもそれが当たり前か。
それに、2号機も、だ。
アスカとショウジって幼なじみで、
世界の平和を守りきったあかつきには結婚するって噂だ。
当の二人は「親同士が勝手に決めたんだ」とか
「ありないわ!」なんて言ってるけど、俺の目から見たら、好きあってるよ。
何だかんだいって、よく基地で戦い方について口論してるけど
……痴話喧嘩だよ、あれは。
いつも仲良く合体してるし……いや、1号機と2号機がだぜ。
あ、ほら、今まさに合体したし。
で、最後に、お邪魔の俺が合体するんだけど……どうしよう???
そう言えば昔、ある有名なアニメでさ、こんなくだりがあったよね???
偉いさんが開発途中のロボットを見て「足が付いてない」って不安がっていたら、
その部下は「足なんて飾りですよ」……だって。
じゃ、俺、不要じゃん。
「合体、や~めた!!!」
俺は、基地に帰還した。
勝手に帰還した俺は、
どうせ怒られるからと思い率先して始末書を書き始めた。
30分後。
1号機と2号機しか合体しなかった不完全なグローリーXは、
足がなかったせいで身動きがとれず、
ブラックスコーピオンに粉々に破壊されてしまった。
アスカは病院に搬送されたが意識不明の重体、
ショウジは消息不明だそうだ。
そして地球は、バッド・エンペラーに侵略された。

