「超能力」……この言葉が一般的になってから今日まで、
いったい何冊の「超能力」開発関係の本が発売されているだろうか?
しかしながら、日本の「超能力者」の代表といえば、ここ十数年変わっていない。

新しい超能力者が、まったくといっていいほど輩出されていないのだ。
これは、どういう事なのであろうか?
それでも、一冊の本を信じて、超能力を身につけようと頑張る女の子がここにいる。
秋山真子。
小学校五年生だ。
彼女の奮闘振りを少し覗いてみよう!

「曲がんないなぁ……曲がれ!曲がれ!曲がれ~っ!!
……もう、三時間も頑張っているのに、このスプーンったらちっとも曲がらない。
やっぱり、私には才能がないのかなぁ。
ううん。
超能力は誰にでもあるってこの本に書いている。
それに、子供の方が上達は早いって!
よし、もうちょっと頑張れば少しは曲がるかもしれない!
頑張ろう!
……曲がれ!曲がれ!曲がれ~っ!!
……曲がれ!曲がれ!曲がれ~っ!!
……曲がれ!曲がれ!曲がれ~っ!!」

こうして、秋山真子は1日5時間のトレーニングを毎日行う事になる。
明日こそは、明日こそはと限りない情熱を持って!
しかし、スプーンは曲がらなかった。
高校受験も失敗したのに!
友人も作らなかったのに!
三十路を迎えて未だに処女なのに!
全部を全部、犠牲にしたのにっ!、だ。
現在の彼女の愚痴を聞いてやって下さい。

 

 

「本ですか?
シュレッダーにかけて、燃やしちゃいましたわ。
もう、自分に呆れ果ててね、
性格も曲がりゃしなかったわよ!」


これほど「曲げる資質」が皆無なのも、ある意味、超能力なのかもしれない!!!