僕らの部活に新しい顧問の先生が来た。

何故、いきなり来たかはわからないし、どういう学校の事情で送られたのかもわからないけどいきなり現れた。


その先生は男性で僕らがやっているスポーツは少しだけやっていたそうだ。
あいにく今日は部長や副部長はいなかった。家庭の事情らしい?詳しく聞いてはいないから分からないけど、とにかく休んでいた。どから代わりに指示を違う子が出した。その子はしっかりとやる子だ。本当にやらなくてはいけない時はいつもと違う雰囲気を出したりするし、少し憧れている存在。

そんな中あの新しい顧問の先生がいきなり言って来た。「総体の目標を考えろ」と。


時間が三分与えられた。そんな大事な目標を人前で言えと、部のノートに書けと。

ある子が言った。「後悔をしない試合をしたい」「負けをする試合をしたくないと」と。
僕はそれに賛成だった。
だってそう言うことを考えないとすぐ負けてしまう。上だけを向いてると足を救われる。
個人差はある。上を向いて成功する人。上を向くからこそ舞い上がり失敗する人。
自分は少し違うが後者だ。
けど顧問は言った。

「結果を言いなさい」
って。
意味がわからなかった。
「一勝したいとか、そんな簡単なことでもいいから」
って。


なに当たり前のこと言ってるの?
簡単なこと?え?なにが簡単なの?
一勝をとるのはとても大変なんだ。
勝つために全員がやってるんだ。
負けの試合はしない。
相手だって勝つことを前提として戦ってる。
その勝つためには、なにが必要かを考えるのが目標ではないのだろうか。
結果はあくまで結果だ。
理想を描いていても現実にはならない。
理想 。想像の世界。
現実になるのはそれを達成するためになにを気をつけるかで結果ではない。
目標は目先のことだけど、理想だけど、なにをするかではないのか。目標が結果ならその先はなんだ。何がある。




未来を考えたら自分が嫌になる人間もいる。




理想を掲げただけで満足する人もいる。




達成だけで満足する人間もいる。





利益だけが欲しい人もいる。







日々使う目標とは、人に言うものなのだろうか。人前で言ったからには「絶対に成し遂げなければならない」言葉にはそんな力がある。
だから達成できなかった時は自分を嫌う。消したいとおもったりもするわけだっりするのかもしれない。




僕はだから言葉にしたり書くのは好きではないのだ…____。




成し遂げない自分が当たり前になり薄い言葉になりそうだ。
《先恋 5話》



私は、バス停に急いで向かった。先生と想定外なことに話していたからバスがくるまで、残り時間があまりない。それに私が乗るバスは一定の時間に来ない。だから余計早くいかなければならないのに…。
「舞ちゃん!はやく!バス着たよ!」
「えぇ~!!?」
バスの運転手!時刻表より五分以上早いよ!?
坂になっている道を走り行きを切らしながらバスへ乗った。
「ギリギリセーフ」
本当いやになる!何でも時間通りに来てくれないのさっ!息が乱れたまま自分の心の中で口を漏らす。
「ごめんね。先言っちゃて。」
琉茄ちゃんが私の顔をみて自分の顔前で手を合わせる。
「大丈夫。もし待っててもらっていたとしても琉茄ちゃんまで走ることになってたしね。」
「ありがと。」



バスが止まる。
「じゃあね。舞ちゃん」
「うん。また明日。」
私は、バスからおりて、琉茄ちゃん向けて手を降る。流茄ちゃんも手を降ってくれた。
あとは、いつもと変わらない道を歩く。
先生って、皆あぁやってパソコンと睨めっこして授業なにするのか考えてるのかな?だとしたら寝てる自分申し訳ないかも。けど、集先生のは多分カッコだけだよ!きっと!!
って…いくらなんでも誰もいなかったとこでカッコつけたりはしないか。途中から私がそばにいたけど…でもなのパソコンに書かれた文字は結構時間をかけてやらないと打てないと思うし…でもだからっていちいち私に話しかけるな!って言いたい!!
これっていわゆる意識過剰?ってやつ??それに先生のことばかり考えてる!?
わぁぁぁ~!!もうお終い!!お終い!!違うことを考えよう。うん。
帰ってから、おやつ食べて宿題して、ご飯食べて、終わってないやつを終わらして……。思ったけど、先生って家に帰ったら何をしてるんだろう。テレビ?それともさっきのパソコンの続き?って…また考えてるし!!考えるな。考えるな…!!


はたから見たら多分さっきの自分はおかしい人なんだろうな。と帰宅後の自分は自分に呟いていた。

【いつからか】



「神崎。これ良くないか?」
「えぇ~今吉君はこっちの色でしょ!」
「そうか?」
「うん!」
 今、今吉君と二人で買い物をしている。今吉君が私服を買いたいと珍しく言ってきた。いつもなら一人で買うのに・・・何かあったのだろうか。


「おっ、これ神崎に似合うんじゃないか?」
「今吉君って本当にセンスないよね。絵のセンスもないけど」
「あのな~。」
「頭はいいのにね。」
「頭良いからって絵が描けるわけではないわ。」
「それさえできれば、パァーフェクト男子なのにね。」
 からかい混じりに話す。だから完璧なんてどうでもいいし求めたいとも思わない。だって求めたところで答えてくるのは息苦しさだけだから。


「神崎は完璧な人でなければ駄目なんか。」
「どうだろうね。」  
 驚いた。今吉君から質問されるなんて。いつもならこっちが今吉君にのせられて問いかけてるのに。まるで・・・いつもの逆だ。

「そうなんか?」
「どうしたの?今吉君らしくないけど。」

「そうか?」
 何を思っているの。何を考えてるの?何か__あるの?





 時間がたっても今吉君が考えてることはわからなかった。ただいつもと違う。そのことだけはわかった。反対にそれしかわからなかった。


「今日はありがとさん。じゃあ明日」 
 ねぇ。何で?何でそんな顔をするの?何でそんな君らしくない表情をするの?言えないことがあるの?言いにくいことなの?私には関係ないことなの__?
嫌だよ。そんなの。私に隠し事できると思ってるの。幼い頃から一緒にいるこの私に嘘が通ると思うの?そりゃ君は何考えてるかよくわからないし、本性もわからない。けど今回はわかったよ。


 ___なんでそんな寂しそうな顔をするの。



「神崎?」
「隠し事・・・」
「え?」
「なにか隠し事してない?」
「そりゃ人には隠し事1個や2個あるやろ。」
「そんなのじゃなくて、一人で抱えてたら不安になること。」
「それ聞いてどうするんや?」
「どうもしない。だって今協力するって言ってできない物なら言葉だけの飾りになるもの。」


 すべてを話して欲しい訳じゃない。私に話して欲しいわけでもない。ただ、そんな顔をして欲しくない。自分勝手だけどそう思うの。


「神崎はやっぱいいわ。」
「何それ。」
「自分の気持ちに嘘をつかないやろ。尊敬するわ。」
「嘘だー」
「本当やで?」
「え~?」
 本当にそう思ってるのかな。でもね。私、自分に嘘ついてるよ。家ではいつも感情を捨ててたりしてたから。


「そやな・・じゃあのってもらうわ相談。」
「うん。」


 私で良いのかわからないけど、言ってくれるのであれば嬉しい。少しでも晴れるのであれば。


「部活も事や」
「部活?」
 あぁ。とでも言うかのように頷かれた。
「部長はだいたい決まってるんや。けどな、副部長が決まらんのや。」
「副部長か・・・あっ、青峰君とか!」
「青峰か。そりゃおもろそうやな。」
「今吉君は実力をとる?それとも信頼性をとる?」
「そやな・・・ワシは、どちらも捕る。」
「そっちも?」
「そうや。ワシら桐皇学園は、ほぼ個人プレーで繋げとる。これを壊そうとはしない。けど司令塔は必要や。もし今まで通りのプレーをやって相手に通じんかったらチームプレーでやっていかんとならん。そしたら司令塔はとても大切やろ?」
「うん。でも、そも司令塔は決まってるんだ。」
「そうや。けどワシが思うに、副は大切や。キャプテンと仲間がケンカしたら誰も止められなくなる。そしたらバスケなんてできなくなる。そやろ?」
「うん。そうだね」
「経験済みか?」
「さぁ?どうでしょ」
「だから、弱音や責任感がないような発言を言わない奴が望ましい。」
「じゃあ決まってるんじゃない。」
「そりゃな。言われてみりゃそうだわ。」
 今吉君は笑った。冷たい空気を背よいながら__。


「言えないことなの___?」
「何か、言ったか?」
「うぅん。何でもない。」
「神崎意外には相談せんよ。」
 柔らかい笑み。本当なのか、嘘なのか。





 私は貴方のこと、何も知らないかもしれない_____。