「十月の魔法」
みんな知らないんだから
あんな にこって笑うけど
桜貝より優しそうに笑うけど
ホントはホントは
もっともっと優しいんだから
高めの羽のおふとんより
もこもこで
三月の日向のおひさまより
ぽっかぽかなんだから
みんな
優しくされて
気持ち良くなっちゃえばいいんだ
目が綺麗だって
気づいた時には遅いんだから
斜め下から射抜かれるように
あの湧き水みたいな透き通った目で
見つめられて
みんな
だめな人にされちゃえばいいんだ
お祭りなんだから
イベント時期なんだから
どうせいっぱいいっぱい
あっちこっちでもてるんだから
最初に思っていたより
ハンサムなんだって
気づいた時には
もうダメなんだから
かっこかわいいだけじゃなくって
うんとハンサムなんだって
気づいた時には
もう帰れないんだから
他の子なんか
割り箸みたいに見えちゃうくらい
ライオンみたいに
逞しくって頼もしくって
って気づいちゃったら
もうダメなんだから
頭がいっぱいになって
いつも会いたくなって
だっこだっこしてもらって
あのピアニストみたいな
繊細な指で
ぱっちんで鍛えちゃった
男らしい指で
いっぱい大切にされちゃって
うんと大事にされちゃって
高ーいとこまで
舞い上がっちゃえばいいんだ
戻れないとこまで
いっちゃえばいいんだ
駅ごとにバス停ごとに
夢中になっちゃった子で
街中がいっぱいになっちゃって
おかしな人ばっかにされちゃえばいいんだもん
知らないもん
どうせお祭りじゃなくたって
イベントじゃなくたって
いっぱいいっぱい
もててるんだから
ホントはわかってんだから
きっとそうなんだから
僕がこれ以上
おかしな人にならないように
黙ってるだけなんだから
僕がちょっと立ち直ったら
どうせ待ち構えてたみたいに
お話してくれるんだから
おかしな人のあいだ
迷惑ばっかりかけてるから
懲らしめだから仕方ないけど
街中の子に優しくして
どんどんかっこよくなっちゃって
うんと幸せにしてあげた話なら
我慢するけど
頑張って聞くけど
誰かにいぢわるした話は
やだな
いぢわるはやめて欲しいです
お祭りだけど
イベント時期だけど
楽しんだ話だけで
お願いします
勘弁して下さいますように
誰かに
いぢわるしませんように
って
考えてたこと
これから毎年
思い出すんだろうな
ワインのポスターと
かぼちゃの時季がくるたびに
-',,-