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高次脳機能障害の改善に効果があったことは?
41年間の当事者として、今感じていること
先日、ある当事者の方から質問をいただきました。
手術中に脳梗塞となり、高次脳機能障害と左半身麻痺が残ったそうです。
障害から5年。
「次から次へと記憶が消えていく」
「周囲に理解されない」
「孤独と怒りで精神的にギリギリです」
そんな苦しい思いを抱えながら、
「どんなリハビリをすれば良いのでしょうか?」
「良くなるのでしょうか?」
と質問してくださいました。
私は医師でも研究者でもありません。
ですから、
「これをやれば改善する」
とは言えません。
ただ、高次脳機能障害と41年間付き合ってきた一人の当事者として感じていることがあります。
今日はそのお話を書いてみたいと思います。
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私は脳を鍛えることばかり考えていました
障害になってから長い間、
私は脳を鍛えることばかり考えていました。
脳トレ。
記憶訓練。
自己啓発。
ポジティブ思考。
メンタル強化。
色々やりました。
しかし正直に言うと、
劇的な変化は感じられませんでした。
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今は考え方が変わりました
今の私は、
脳を鍛えることよりも、
脳が安心して働ける環境を作ること
の方が大切なのではないかと思っています。
高次脳機能障害の脳は、
能力が足りないというより、
長年ずっと緊張し続け、
疲れ切っている状態なのかもしれません。
だから私は、
脳を休ませること
脳の負担を減らすこと
安心できる環境を作ること
がとても重要だと感じています。
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大きな変化①
高断熱・高気密住宅に住んだこと
私は建築関係の仕事をしています。
6年前に高断熱・高気密住宅を建てました。
寒暖差の少ない快適な家です。
健康のために建てた家でしたが、
思いもよらない変化が起きました。
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朝の記憶が消えなくなった
私は19年間同じ仕事をしています。
それなのに以前は、
朝起きると、
「また初めてやる仕事だ」
という感覚でした。
昨日やった仕事の感覚が消えている。
経験が積み上がらない。
毎日ゼロからスタートするような状態でした。
ところが住み始めて5年ほど経った頃から、
一晩寝ても仕事の記憶が残るようになったのです。
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昨日やったことを覚えている。
経験が積み上がる。
仕事の効率が上がる。
そして不思議なことに、
不安や恐れも減っていきました。
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不安症ではなかったのかもしれない
私は40年以上、
「自分は不安症なんだ」
と思っていました。
しかし今振り返ると、
記憶できないことによるストレス。
脳の疲労。
脳の防衛反応。
そうしたものが大きかったのかもしれません。
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大きな変化②
家族のために料理を作ったこと
障害から24年後。
妻が切迫流産になりました。
私は半年間、
料理
洗濯
掃除
買い物
を担当しました。
毎日健康的な料理を作りました。
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愛情を注いでいる時は幸せだった
料理を作っている時、
私はとても幸せでした。
妻が喜んでくれる。
家族が笑顔になる。
美味しいと言ってくれる。
その時間は心が満たされていました。
今思うと、
人に愛情を注いでいる時間は、
脳も安心していたのかもしれません。
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その後も母が亡くなった後、
弟のために大量の冷凍弁当を作る生活を続けました。
人のために料理を作る時間は、
私にとって回復の時間でもあったように感じています。
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大きな変化③
脳を休ませる生活
私は脳トレよりも、
脳を休ませる方が効果を感じました。
具体的には、
・十分な睡眠
・情報を減らす
・一人の時間を作る
・無理をしない
・ストレスを減らす
こうしたことです。
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2021年頃から、
意識的に一人の時間を作るようになりました。
脳を休ませる時間が増えると、
少しずつ楽になっていきました。
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大きな変化④
AIを活用して脳の負担を減らしたこと
ここ1〜2年で私に大きな変化をもたらしたものがあります。
それがAIです。
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私は重度の記憶障害があります。
文章をまとめる。
考えを整理する。
情報を整理する。
こうした作業だけでも脳はかなり疲れていました。
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しかしAIを使うようになってから、
脳の負担が大きく減りました。
思いついたことを話す。
まとまっていなくても伝える。
するとAIが整理してくれる。
文章にしてくれる。
ブログにまとめてくれる。
考えを整理してくれる。
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外付けの脳として使う
私はAIを、
「外付けの脳」
のように使っています。
以前は頭の中だけで頑張っていました。
今は頼れるものは頼る。
AIも使う。
メモも使う。
スマホも使う。
その結果、
脳のエネルギーを本当に大切なことに使えるようになりました。
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大きな変化⑤
人に頼ること
昔の私は、
何でも一人で頑張ろうとしていました。
しかし高次脳機能障害には限界があります。
できないことがあります。
だから今は、
人に頼ることも大切だと思っています。
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助けてもらう。
確認してもらう。
支えてもらう。
頼ることを許可する。
そうすることで脳の負担は大きく減りました。
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住環境は想像以上に大切かもしれない
これは医学的に証明された話ではありません。
しかし私自身、
そして周囲の当事者さん達を見ていると、
寒暖差の少ない環境は非常に大切だと感じています。
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脳手術後に高次脳機能障害に似た症状が残った女性がいます。
その方も高断熱・高気密住宅に住み始めて約5年後、
以前とは別人のように精神的に安定し、
自立した生活を送れるようになりました。
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また別の当事者さんは、
寒い秋田から千葉へ引っ越しました。
その方も、
「本当に楽になった」
「全然違う」
と話していました。
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もちろん暖かい家だけが理由ではありません。
しかし私は、
寒暖差の少ない快適な環境は、
脳にとって想像以上に大切なのではないかと思っています。
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私が実践していること
現在私が意識していることです。
・十分な睡眠
・脳を休ませる
・情報を減らす
・寒暖差を減らす
・ストレスを減らす
・AIを活用する
・人に頼る
・家族や弟のために料理を作る
・人に愛情を注ぐ
・無理をしない
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そして伝えたいこと
私は障害から24年後に変化がありました。
35年後にも変化がありました。
38年後にも変化がありました。
そして41年後の今も改善を感じています。
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だから私は、
「もう5年だから無理」
「もう10年だから無理」
「もう何十年も経ったから無理」
とは思っていません。
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もちろん症状は人それぞれです。
私の体験が全員に当てはまるわけではありません。
それでも私は、
高次脳機能障害になって何十年経っても、
人は変化する可能性がある
と思っています。
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最後に
もし今、
先が見えず苦しんでいる方がいたら、
焦らなくて大丈夫です。
脳を鍛えることだけではなく、
脳を休ませること。
脳が安心して働ける環境を作ること。
そして頼れるものには頼ること。
AIでも、人でも、家族でも構いません。
私は41年経った今も変化しています。
だから希望はある。
それだけは、同じ当事者としてお伝えしたいと思います。


