カナダにいた頃のように、心が軽くなった


高次脳機能障害になって、たぶん5年目くらいの頃。僕はカナダに留学しました。


当時は記憶の障害も強く、何かを覚えたり、完璧にこなしたりするのは大変でした。でも、カナダでの勉強は不思議と楽だったんです。


学んだ内容が、それまでやってきたことの復習に近かったのもあります。それに、細かいところまで全部覚えていなくても、考え方が合っていて、だいたいできていれば「いいね」と認めてもらえる。そんな空気がありました。


僕には、それが「だいたいできていれば100点満点」のように感じられました。


肩の力を抜いて取り組めると、ちゃんと力を出せる。勉強する時間も楽しくて、障害を負ってから見失いかけていた、自分らしい一面が少し戻ってきた気がしたんです。


そして今、AIを使うようになって、あの頃と似た感覚があります。


仕事で手間のかかることも、日々の小さな面倒ごとも、AIに整理してもらったり、一緒に考えてもらったりする。すると、頭の中に少し余白ができます。


「全部を自分で覚えて、完璧にやらなきゃ」


そんな力みがほどけると、僕はまた、自分の考えや気持ちに目を向けられるようになりました。面白いことを思いついたり、人に心を込めたりするゆとりも生まれます。


ふと、カナダにいた頃に似ているな、と思いました。


場所も時代も違うけれど、僕が安心して力を出せる環境に出会えた、というところが似ているのかもしれません。


障害がある僕にとって、心のゆとりはとても大きなものです。そのゆとりの中で、自分らしさや人間らしさが、また少しずつ戻ってきています。


今、僕はとてもいいひとときを過ごしています。