高次脳機能障害は何十年後でも変わるのか?
私が24年後と38年後に体験した「二つの大きな変化」
先日、ある高次脳機能障害の当事者の方から質問をいただきました。
「高次脳機能障害はどんなリハビリをすれば良いのでしょうか?」
「5年経っても良くなりません。本当に良くなるのでしょうか?」
という内容でした。
私も41年間、高次脳機能障害と共に生きてきた当事者です。
だからこそ、その苦しみは痛いほど分かります。
記憶が消えていく。
人には理解されない。
何をやっても成果が出ない。
そして、
「このまま一生変わらないのではないか」
という不安。
私自身も何十年もそう思っていました。
今日は私自身が体験した、
24年後の変化
そして
38年後の変化
についてお話したいと思います。
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24年後に起きた大きな変化
私が高次脳機能障害になったのは高校2年生の時でした。
そこから24年ほど経った頃。
妻が切迫流産となり、絶対安静が必要になりました。
私は仕事をしながら、
* 料理
* 洗濯
* 掃除
* 買い物
* 看病
を半年近く続けました。
毎日料理を作りました。
ただ作るだけではありません。
「栄養のあるものを食べてもらいたい」
「元気になってもらいたい」
そんな気持ちで作っていました。
すると不思議なことが起きました。
その頃から少しずつ、
* 記憶力
* 集中力
* 頭の働き
が改善したような感覚が出てきたのです。
もちろん医学的な証明はありません。
偶然だったかもしれません。
それでも私にとっては忘れられない体験でした。
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38年後にも同じことが起きた
さらに印象的だった出来事があります。
それは高次脳機能障害になって38年後のことです。
母が亡くなり、
発達障害のある弟の生活を私が支えることになりました。
その結果、
月の半分は実家。
残りの半分は妻と娘がいる自宅。
という二重生活が始まりました。
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毎日の料理作り
実家では弟のために毎日料理を作りました。
せっかくなら美味しいものを食べてもらいたい。
温かいものを食べてもらいたい。
そんな気持ちでした。
さらに、
私が自宅へ戻る期間も弟が困らないように、
大量の冷凍弁当も作りました。
実家の冷凍庫に保存し、
私がいなくても食事に困らないよう準備しました。
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気づけば脳が変わり始めていた
その生活を続けているうちに、
また不思議なことが起きました。
以前よりも、
* 記憶が残る
* 頭が働く
* 判断がしやすい
* 疲れにくい
そんな感覚が少しずつ出てきたのです。
私は驚きました。
なぜなら、
24年後に起きたことと、
とてもよく似ていたからです。
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共通していたこと
24年後も。
38年後も。
共通していたことがあります。
それは、
自分のためではなく、誰かのために行動していたこと。
妻のため。
弟のため。
相手が喜ぶ姿を想像しながら料理を作っていました。
その時の私は、
不思議なくらい幸せでした。
料理を作ることが苦ではありませんでした。
むしろ、
「美味しかった」
と言われることが嬉しかったのです。
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愛情を注いでいる時は幸せだった
今振り返ると、
料理を作っている時間は、
とても満たされていました。
心配や不安よりも、
喜びや感謝が大きかったように思います。
私は以前テレビで、
「人に愛情を注ぐことで新しい神経回路が作られる」
という話を見たことがあります。
本当かどうかは分かりません。
私は専門家でもありません。
しかし、
私自身の人生では、
24年後も。
38年後も。
同じような変化が起きました。
だから、
人を大切に思うこと。
誰かのために心を込めて行動すること。
それは脳にとって良い刺激になる場合があるのではないか。
そんなふうに感じています。
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私が思う本当に大切なこと
ただし、
ここで誤解してほしくないことがあります。
私は、
「人に尽くせば治る」
と言いたいわけではありません。
無理をしてはいけません。
頑張りすぎてもいけません。
高次脳機能障害の方は、
まず脳を休ませることがとても大切だと私は感じています。
その上で、
もし少し余裕ができたなら、
家族でも友人でも誰でも良い。
誰かのために、
小さな親切をしてみる。
料理を作ってみる。
ありがとうと言ってみる。
そういう時間が、
心や脳に良い影響を与えることもあるのかもしれません。
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高次脳機能障害は何十年後でも変わる
私が一番伝えたいことがあります。
それは、
高次脳機能障害は何十年経っても変化する可能性がある。
ということです。
私は24年後に変化を感じました。
そして38年後にも変化を感じました。
さらに41年目の今も、
少しずつ変化を感じ続けています。
だから、
5年で変わらなかったから終わりではありません。
10年でも。
20年でも。
30年でも。
40年でも。
人は変わる可能性があります。
私はその一つの実例です。
もし今、
希望を失いそうになっている方がいたら、
「まだ終わっていないかもしれない」
そう思っていただけたら嬉しいです。
人生は思っているより長く、
脳には私たちが想像している以上の力が残されているのかもしれません。

