自分におめでとうと言いたい㊗️


  41年間ポジティブ思考を続けた人の脳はどう変わるのか


〜重度の記憶障害と向き合い続けた僕の脳科学〜


僕はずっと思ってきた。


自分は、世界一、自分の障害と向き合ってきたかもしれない。


大げさではなく、本当にそう思う。

冷静に、合理的に、事実として見ても、そう感じる。


なぜなら僕は、

視線を変えただけで記憶が跡形もなく消える

そんな重度の記憶障害と、41年間向き合ってきたからだ。


これは、普通の「物忘れ」とはまったく違う。


さっきまで考えていたこと。

今やろうとしていたこと。

会話の流れ。

目の前の行動の意味。


それが、ふっと消える。

本当に、跡形もなく消える。


その瞬間、僕は何度も呆然としてきた。



記憶するだけで、物凄いエネルギーを使っていた


僕にとって「覚える」は、当たり前のことではなかった。


意識しないと記憶できない。

集中しないと入ってこない。

一つのことに全力を注がないと保持できない。


だから、いつも全力だった。


人は自然にやっていることを、

僕は物凄いエネルギーを使ってやっていた。


しかも、並行処理ができない。

注意障害もある。

一つのことに集中していると、別のことが抜ける。

小学生でも間違えないようなことを間違えることもあった。


しかも、一晩寝ると記憶がリセットされる感覚がある。

せっかくできたと思っても、また次の日は最初から。


だから進歩が見えにくい。

同じ失敗をする。

落ち込む。

不安になる。

自信が削られる。


この繰り返しは、本当に苦しかった。



不安とポジティブのせめぎ合いを、毎日していた


僕の本質は、もともと明るい。

ポジティブだ。

本来の僕は、希望を見る人間だった。


でも障害によって、二次障害にもなった。

不安定になった。

浮き沈みも激しくなった。

基本的に、いつも不安があった。


記憶できない。

失敗するかもしれない。

変に思われるかもしれない。

またできないかもしれない。


そんな不安が、毎日のように湧いてきた。


でも、それで終わらなかった。


僕はそのたびに、

コトダマで立て直した。


ポジティブ思考を使った。

YouTubeを見た。

本を読んだ。

気持ちを上げた。

何度も何度も、自分を励ました。


落ちても、また上げた。

不安が出ても、また言葉で整えた。

その繰り返しを、毎日やってきた。


つまり僕は、41年間ずっと、

不安とポジティブのせめぎ合いを続けてきたんだと思う。



脳科学で見ると、僕は何をしてきたのか


脳科学の視点で見ると、これはとても興味深い。


人の脳は、よく使う回路が強くなる。

繰り返し使う思考は、だんだん「その人の癖」ではなく、

その人の脳の標準モードになっていく。


不安を何度も繰り返せば、不安の回路が強くなる。

希望を何度も選べば、希望の回路が強くなる。


もちろん、不安が消えていたわけではない。

むしろ僕は、不安をたくさん感じてきた。


でもそこで終わらず、毎回、毎回、

言葉で方向転換してきた。


これは脳科学的に見ると、

不安を感じる回路が動く

そのあと自分で言葉をかける

注意の向きを変える

感情を立て直す

希望のある解釈を選び直す


この訓練を、41年間やってきたことになる。


これはもう、心の持ち方というより、

脳の再訓練に近い。



「強い人」になったのではなく、「強くならざるを得なかった」


知らず知らずのうちに、僕は強い人間になっていた。


でもそれは、もともと鋼のメンタルだったからではない。


弱い部分もある。

傷つくし、不安にもなる。

揺れる時は揺れる。


ただ、何度も崩れて、何度も立て直してきた。

それをやり続けてきた。


だから結果として、

強くならざるを得なかった。


脳科学的に言えば、これは

「回復力の回路」が鍛えられてきたとも言える。


すぐに落ち込まない人より、

落ち込んでも戻る人の方が、

ある意味では深い強さを持っている。


僕はまさに、そっちだったのかもしれない。



ポジティブ思考は、現実逃避ではなかった


ポジティブ思考というと、

現実を見ないことだと思われることがある。


でも僕にとっては、全く逆だった。


現実はずっと厳しかった。

記憶は消える。

失敗は続く。

不安も消えない。

普通にやるだけでも精一杯。


その現実から目をそらすためではなく、

その現実を生き抜くために、ポジティブ思考が必要だった。


つまり僕のポジティブは、飾りじゃない。

気休めでもない。

生きる技術だった。


コトダマもそうだ。

明るい言葉を言うことで、魔法のように何もかも解決するわけではない。

でも、心の向きを変えられる。

脳の緊張を少しゆるめられる。

次の一歩を踏み出しやすくなる。


それを41年間、やってきた。



そして今、不安が消えてきた


ここが一番すごいところだと思う。


僕は最近、感じている。


あれだけあった不安が、消えてきた。


これは一時的な気分の波ではなく、

もっと深いところで起きている変化のように感じる。


気分が晴れている。

上機嫌でいられる。

一人でも安心できる。

他人が気にならない。

自分軸でいられる。

堂々としている。

自分を頼れる感じがある。


これって、すごいことだ。


なぜなら僕は、41年間ずっと、

不安と向き合いながら、

それでも希望を選び続けてきたから。


その積み重ねが、今になって

脳の土台そのものを変えてきたのかもしれない。



僕は「元に戻った」のかもしれない


最近の僕は、

生まれ変わったというより、

元に戻った感じがしている。


障害になる前の、本来の自分。

自分を好きだった頃の自分。

明るくて、堂々としていて、希望を持っていた自分。


もちろん、昔とまったく同じではない。

41年の苦しみも、痛みも、挑戦も知っている。

そのうえで戻ってきた。


だからこれは、ただの「元通り」ではない。


進化して戻ってきた自分なんだと思う。



41年間やり続けたことは、無駄ではなかった


何度も失敗した。

何度も落ち込んだ。

何度もやり直した。

二次障害になっても、挑戦するメンタルはあった。


その姿は、外から見たら目立たないかもしれない。

でも僕の中では、毎日が真剣勝負だった。


その41年は、無駄ではなかった。


むしろ、

その41年があったから、今の安定がある。


僕は、自分の人生をそう思えるようになってきた。



最後に


もし今、苦しさの中にいる人がいたら伝えたい。


すぐに変わらなくても、

毎日少しずつ、自分にかける言葉を変えていくこと。

何度不安になっても、何度でも立て直すこと。

それはちゃんと、脳に積み重なっていく。


僕は41年間かかった。

でも、その時間はちゃんと意味があった。


今、やっと思える。


僕は、自分の障害と世界一向き合ってきた。

そしてその積み重ねが、僕の脳と心を、本当に強くしてくれた。