🌊 やさしさは、きっと伝わっている


友達の話です。


一昨日、ビーチで

無心になって貝を拾ったそうです。


ただ、しゃがんで、

波の音を聞きながら、

静かに、ひとつ、またひとつ。


子供に見せたいな、という気持ちと、

でもそれ以上に、

頭が止まっていた時間。


考えていなかった。

ただ、触れていた。


けれど帰ってから、

ふっと我に返ったそうです。


「あ…これ、海のものだった」


ハッとした瞬間。


やさしい後悔が胸に広がり、

ひとつひとつ洗って、

一晩、塩水に浸して

「ごめんね」と声をかけた。


そして翌日。


病院の帰り、

体力的には少し遠かったけれど、

同じビーチにひとりで行き、

そっと、返してきたそうです。


潮は引いていたけれど、

きっと今は海の中にいるかな、と

やわらかく笑っていました。


⸻


彼女は言いました。


「貝に“ありがとう”って言って触れていたら、

物凄いエネルギーが伝わってきて、

涙が止まらなかったの」


生まれてはじめて、

貝に包まれて泣いた、と。


正直に言うと、

僕はそこまで感じられるかどうか分からない。


でも、思うのです。


やさしい気持ちは、

きっと伝わっている。


たとえ相手が人でなくても。

たとえ相手が貝であっても。


やさしく触れるとき、

まず整うのは自分の心。


静かに撫でる手の中で、

自分の呼吸が深くなり、

胸の奥がゆるむ。


そのやわらかさは、

波紋のように広がっていく。


もしかしたら

貝からエネルギーが来たのではなく、

彼女の中のやさしさが

あふれ出したのかもしれない。


でもそれでいい。


やさしさが循環したことに

変わりはないから。


⸻


貝に「ごめんね」と言えたこと。

「ありがとう」と言えたこと。


それはきっと、

自分にも向けられている言葉。


自然を大切にする人は、

どこかで自分も大切にし始めている。


返しに行くという行動は、

義務ではない。


ただ、

“そうしたかった”だけ。


その純粋さが、

とても美しいと思いました。


⸻


潮が引いていた時間。


海は一時的に離れているようで、

でも確実に、また満ちてくる。


手放しても、

つながりは消えない。


それはきっと、

人とのご縁も同じ。


出会い、

一晩でも一瞬でも、

共に過ごせたこと。


それだけで十分、

意味があるのかもしれません。


⸻


僕はそこまで感じないかもしれない。


でも、


やさしい気持ちで接しよう。


人にも、

自然にも、

そして、自分にも。


それだけで、

世界は少しだけやわらかくなる。


やさしさは、

きっと、静かに伝わっているから。 🌊✨