「イライラの正体に気づいた夜」
最近、庭の畑をキャンプサイトにして、夜はテントで眠っています。
虫の声を聴き、星空を見上げると、「自分も宇宙の一部なんだな」と心が穏やかになっていきます。
自然に包まれる時間は、不思議と自分の心を静かに整えてくれるのです。
そんなある夜、ふと大きな気づきが訪れました。
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弟に対してイライラしていたのはなぜ?
僕は、弟の話を聞くといつもイライラしていました。
同じことを何度も言う。説明が長くて結論が見えない。
「またか…」と思うと、もう聞きたくなくなる。
でも星を見上げていた時に気づいたのです。
――これは弟にイライラしていたんじゃない。
僕は、自分にイライラしていたんだ、と。
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できない自分を責め続けていた日々
高次脳機能障害になってから、できないことがたくさん増えました。
健常者だった頃の自分に戻ろうと必死にもがいていた時、心の中ではいつもこう叫んでいました。
「こんな自分じゃ嫌だ。プライドが許せない。」
失敗を重ねるたびに、
「小学生でも間違えないようなことを、なぜ自分はできないんだ」
と、自分を冷たく見下し、軽蔑していました。
誰かに怒られた時も「俺もそう思う」と、他人と一緒になって自分を責めていました。
心の中で自分を裁くことをやめられなかったんです。
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開き直りと自己防衛
あまりに失敗が多すぎて、いちいち謝っていたら心が壊れてしまう。
だから僕は「どうでもいい、間違えたら直せばいい」と開き直るようになりました。
でもそれは「受け入れ」ではなく「自己防衛」でした。
本当は「できない自分」を責め続けていたのです。
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弟は“鏡”だった
だからこそ気づいたんです。
弟が同じことを何度も話す姿は、実は僕の心を映していた。
「僕はわかってほしい」「僕を褒めてほしい」という僕自身の叫び。
弟は鏡だったんです。
僕が自分にイライラしていたことを、弟を通して見せてくれていたんだと。
そう思った瞬間、体がふっと軽くなり、心に「安心」が広がりました。
長年のイライラの意味が、やっとつながった気がしました。
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過去の自分へのメッセージ
今の僕が、過去の“健常者に戻ろうともがいていた自分”に声をかけるなら、こう言いたい。
「あなたは本当に頑張っているよ。素晴らしいよね。
できなくても、みんなに理解されなくても、あなたには価値がある。
普通の人にはわからない、尊い努力や生き様がある。
それは全部、愛おしいし、誇りなんだよ。」
これは、斎藤一人さんの一番弟子・柴村恵美子さんが障害を持つ人に送ってくれるエールにも重なります。
「あなたの魂は素晴らしい魂なんだよ」
その言葉を、自分自身にも贈りたい。
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おわりに
弟にイライラしていたのではなく、自分にイライラしていた。
弟は僕の心を映す鏡だった――。
この気づきは、僕にとって大きな一歩になりました。
次回は、**「失ったものを埋めようとする心の罠」**について書いてみたいと思います。
